「僕はサンプロアルウィンを選手としてピッチから見る景色、逆にスタンドからピッチを見る景色、その両方の視点を持つことができる。選手たちに自信を持ってプレーしてもらえる、そういう雰囲気づくりの手助けができればいい」

　“裏方”として戦い抜く、走り抜く、あきらめない、その覚悟はできている。

中村憲剛のドキュメンタリーに心が打たれた

　つい最近、2020年シーズン限りで引退した中村憲剛と川崎フロンターレの18年間に及ぶ歩みを記録したドキュメンタリー映画「ONE FOUR KENGO THE MOVIE」を観る機会があった。プロスポーツチームが定着しないとささやかれた川崎にどう溶け込んでいったのかが描かれていた。

　感動した。心が打たれた。

「J1のトップに立つクラブがあれだけやっていたんだなって。憲剛さんはコンディションを保ちながら地域貢献なども積極的にやって、本当にいろんな影響を与えてきた。凄いなって思うと同時に、松本山雅も地域に根差していると掲げるのならばもっともっとやんなきゃいけないでしょ、と。あぐらをかいちゃいけないなって思いました」

　自分にベクトルを向けて、彼はそう話した。

　トップチームは名波浩監督のもとで3月のJ3開幕に向けて準備を進めている。飯田にとって名波監督は東京ヴェルディ時代の先輩でもあり、リスペクトしている存在。トップチームとは直接関わりを持たないものの、選手やサポーターとのコミュニケーションによって何か力になれればという思いがある。

　クラブのため、チームのため、サポーターのため、そして松田直樹から「勝手に引き継いだ」松本山雅を全国区にするという夢を、選手とはまた別の立場から成し遂げるため──。

　前のめりくらいの情熱でちょうどいい。スパイクを脱いでも飯田真輝の“松本山雅愛”は燃え盛っている。

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