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《一軍、二軍の区別を廃止》オリックスはキャンプも中嶋イリュージョン… 小林二軍監督が「よくできた仕組み」と語る理由

posted2022/02/10 11:02

 
《一軍、二軍の区別を廃止》オリックスはキャンプも中嶋イリュージョン… 小林二軍監督が「よくできた仕組み」と語る理由<Number Web> photograph by Kou Hiroo

数多くの投手が投球練習に励むオリックスのブルペン。昨年のパ・リーグ王者は連覇に向けて力を蓄えている

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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12球団キャンプは一軍だけでなく、ファームでも行なわれている。各キャンプ地をめぐったレポートをお届けします。

 宮崎県では、巨人、オリックス、ソフトバンクが宮崎市で、広島、西武が日南市で、ヤクルト二軍が西都市で春季キャンプを行っている。オリックスは宮崎市の清武総合運動公園でAグループ、Bグループがキャンプを行っている。またCグループは大阪のオリックスの二軍本拠地である杉本商事バファローズスタジアム舞洲で始動した。

 このA、B、Cという組み分けはソフトバンクなどと同様だが、構成は異なっている。

 オリックスのCグループは故障、コロナ感染などで出遅れた選手などの調整組だが、Aグループ、Bグループは「主力組」「控え・若手組」というわけではない。Aグループは首脳陣が手元に置いて見ておきたい選手や練習、調整が気になる選手。Bグループは自分のペースで仕上げることができる選手が中心だ。また同じ敷地内でキャンプを行っているから、中嶋聡監督の判断で、選手の入れ替えは随時行われている。

 中嶋監督は監督就任以来、コーチの一軍、二軍の区別を廃止した。そして昨年の春季キャンプから、今年と同様、一軍、二軍の垣根を低くする布陣に変えた。

 昨年は、チームの全戦力で勝利を目指すというユニークな体制で、最下位からリーグ優勝を果たしたのだ。

 筆者は春季キャンプでは「ファームの取材」を行っているが、今回は少し趣向を変えてレポートしたい。

2年ぶりの有観客キャンプには多くのファンが来場

 この日は日曜日、オリックスキャンプでは検温、手指消毒を施したうえで観客を2年ぶりにいれている。駐車場はほぼ満車状態。多くのお客が来場した。

 Aグループはメイングラウンドの「SOKKENスタジアム」で練習する。山足達也や若手の太田椋が投内連携で身体を動かしている。BグループスタートとされたT-岡田がこの日はAグループに加わっている。もっとも、前述のようにオリックスのAグループは現時点の「主力組」を意味しない。首脳陣が必要だと思うからAグループに呼んだのだ。

 海坊主のような風貌の内野手がいる。昨年は金髪で注目を集めた大下誠一郎が青々とした丸刈り頭で参戦しており、「ヤジ将軍」からもう一歩の進化を目指している。

 風岡尚幸内野守備・走塁コーチが1球ごとにきめ細かな指示を与えている。

 例年は、吉田正尚が春季キャンプの中心なのだが、吉田は2年連続の首位打者は獲得したものの昨年12月に両足首を手術したこともあり今年はCグループスタートとなった。

 メイングラウンドは、Bグループが練習する第2野球場と背中合わせになっている。

【次ページ】 12球団最大級のブルペンは実に壮観だった

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