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「飛距離は金で買え!」1本5万円と高級化する草野球の“飛ぶバット”事情《ビヨンドマックス20周年》 

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田澤健一郎

田澤健一郎Kenichiro Tazawa

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photograph byKenichiro Tazawa

posted2022/02/11 06:00

「飛距離は金で買え!」1本5万円と高級化する草野球の“飛ぶバット”事情《ビヨンドマックス20周年》<Number Web> photograph by Kenichiro Tazawa

ビヨンドマックスレガシーを愛用する楢木真隆さん。年間100試合をこなす趣味人で道具へのこだわりも強い

 本格的な野球経験者でも30代、40代と年を重ねれば力は衰える。仕事や子育てでトレーニングをする時間も体力的な余裕もない。週に1度の試合でさえ家族に貴重な休日を潰すことを平謝りしながらの参加。それでもホームランは何歳になっても打ちたい。そんな草野球選手たちの夢の代償と考えれば5万円は高くないのだろう。

 ただ、それでもやはり5万円は出せない、という人もいるはずだ。そんな人に足を運んでもらいたいのが東京・荻窪にある「オスローバッティングセンター荻窪店」。ここのレジには、レガシーやレガゼロをはじめとする各メーカーの主要なバットがズラリと並んでいる。これらのバットは6600円(税込)の27ゲーム回数券を購入すればどれでも使用可能。高級バットを購入せずとも試し打ちができる(6600円のカード販売は2022年2月28日まで。使用期限およびバット使用サービスは2022年3月15日まで。以降のバット使用サービスについては公式サイト等で要確認)。

「レガシーもレガゼロも飛びは感じるけど、レガシーは硬いからか速球を打ち過ぎると手首が痛くなるんですよね。逆にレガゼロは軽いけど、どこでミートしたのか打感がわかりにくい。だから遅いボールにはレガシー、速いボールにはレガゼロが向いているかな? 打感を大事にしたい人なら複合ではないカーボン製のブラックキャノンもアリだと思いますね」

 まるで高級バットマスターのようなコメントを寄せてくれたのは高橋徹さん(46歳・年間試合数約40)。オスロー荻窪で夜な夜な高級バットによる打ち込みを行って試合に臨んでいる。

 高級バットを購入した人は、劣化を恐れて人に貸したり、過度な打ち込みで使用することを避けがちに見える。価格、費用対効果を考えれば、それも当然だろう。その点、ここにマイバットと同じバットがあれば思う存分、練習ができるはずだ。もちろん、マイバットを購入できなくても、せめて飛ぶ感覚を味わいたい、あるいはチームバットのレガシーやレガゼロで結果を出すために練習したいといった人にもオススメだ。

「個人的な感覚ですが、レガシーなど複合バットも5、6年使っていると劣化しますからね」

 そんなマイスター・高橋さんは、高級バットの中で何を購入して使っているのか?

「バット、持っていないんですよ。小遣いは月3万円。子どもが2人いる状況で、バットに5万円はやっぱり出せない。2チーム所属していますが、試合ではチームバットを使っています。レガシーやレガゼロもありますから」

 嗚呼、これほどまでにバットを愛する男でも購入できない高級バットの現実。やはり5万円の壁は低くはない。競馬も好きという高橋さん、ぜひ万馬券を当ててマイ高級バットを手にする日が来ることを祈るばかりだ。

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