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“ペアが日本の弱点”という声も…りくりゅう・木原龍一29歳が晴らした8年分の悔しさ「自分が強くならないと勝てない」
posted2022/02/08 06:01
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
JMPA
描いてきた夢は、ついに現実となった。
2月7日、フィギュアスケート団体戦で、日本が銅メダルを獲得。団体戦が採用された2014年ソチ五輪から3大会目で、初めて表彰台に上がった。
全員が“ノーミスで完走”…圧巻の銅メダル獲得
男女シングル、ペア、アイスダンスのショートプログラム(アイスダンスはリズムダンス)、フリー(アイスダンスはフリーダンス)の計8つのうち3種目が実施されたのは2月4日。
この日、最初の男子ショートプログラムで宇野昌磨が自己ベストをマークしてネイサン・チェンを擁するアメリカに次ぐ2位につけた。その後もオリンピックに初出場の樋口新葉が練習では緊張に苦しんでいたもののショートプログラムでミスのない演技を見せ、同じく初出場の鍵山優真はフリーで自身初の200点超えをマーク。世界歴代3位となる208.94点で1位だった。
アイスダンスの小松原美里・尊はリズムダンス、フリーダンスで持てる力を出し、締めくくりとなった女子フリーでは坂本花織が今シーズンの高い安定感そのままの演技を見せた。
誰もが失敗しない、そして会心の演技を見せる選手が相次いだ結果の銅メダルであった。
その中で、あえて「立役者」を選ぶとしたら、ペアの三浦璃来・木原龍一にほかならない。
ソチ、平昌で獲得したのはそれぞれ“わずか9点”
アイスダンスとともに、ペアが日本の弱みだと指摘されてきた。
ソチ五輪でのペアはショートが10カ国中8位、ショートの成績上位5カ国が進出するフリーでは5位。つまり最下位だった。
平昌五輪でも8位と5位。順位に対して与えられるポイントは、両大会ともに計9点にとどまった。
だがこの北京五輪では違った。ショートで4位につけるとフリーでは2位。前回大会と比べて、倍近い16点を得たのである。