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ゴルフ賞金女王も五輪メダルも“過去のこと”…稲見萌寧22歳が語るリアルな目標「全部グリーンに乗せたい。全部勝ちたい」
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byKiichi Matsumoto
posted2022/02/02 06:00
昨シーズン、賞金女王に輝いた稲見萌寧(22歳)。新シーズンを前にインタビューに応じた
「人と同じが嫌なんです。賞金女王になりたいって、みんな言うけど、それ(みんなと同じ)は嫌。(永久シードは)達成している人が少ないので、そっちのほうがいいかなって」
自分ならではの目標を立て、自分ならではの達成感を味わいたい。とはいえ、絵空事のような目標を立てたりはしない。
「私、夢を見過ぎないんで。現実的に、できるできないを判断します」
新トレーナーを付け、腰や肉体の柔軟性を高め、可動域を広げ、心身の状態が少しずつ向上しつつある今、「2月からは練習やトレーニングに全部時間を使いたい」。
そして、永久シード獲得という究極の夢が天高く輝く一方で、目の前の「身近な目標を決める」という2つのゴール・セッティングで歩んでいくのだと稲見は目を輝かせている。
全部乗せたい、全部勝ちたい
「賞金女王になったって言っても去年1年だけのこと。私は完璧主義者なので、全部良くしたい。パーセーブとかではなく、全部(グリーンに)乗せたい。全部勝ちたい。日本人として日本で一番になりたい」
1年や2年ではなく、永遠の日本一になりたい。彼女にとって永久シードは、その証なのだろう。そのための身近な目標は「今季、まず1勝することです」。
昨夏の五輪メダリストになったことも、昨季賞金女王になったことも、稲見にとっては、すでに過去。天高きゴールを達成するために、まず足元の1段を昇る大切さを彼女は本能で悟り、日々鍛錬に努めている。
「まず1勝して身近な目標を1つクリアしたら、そのときこそは、うれしい?楽しい?」
もう一度だけ、振り出しに戻り、「楽しむこと」の意味を、あえて問いかけてみた。
「いや……何も思わないかな。『はい、次!』って感じです」
なるほど。「はい、次!」。
ほんの少しだけ、稲見の思考回路の謎が解けた。
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