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《センバツ決定》注目選手&優勝候補は? 花巻東・佐々木麟太郎に「ずば抜けた総合力」の大阪桐蔭左腕…逸材ズラリの“05年世代”が甲子園に集結
posted2022/01/28 17:02
text by
菊地高弘Takahiro Kikuchi
photograph by
Yuki Suenaga
これほどまでに1年生が注目を浴びる大会は、今までなかったに違いない。
1月28日、第94回選抜高等学校野球大会の出場校32校が発表された。
現時点で優勝候補の大本命に挙がるのは、明治神宮大会で優勝した大阪桐蔭(大阪)。さらに同大会でベスト4入りした広陵(広島)、花巻東(岩手)、九州国際大付(福岡)も有力な対抗馬になるだろう。
そして野球どころ・近畿地区にはハイレベルなチームがひしめき、京都国際(京都)や天理(奈良)も優勝を狙える実力がある。とくに京都国際は昨夏の甲子園ベスト4を経験した主力が残り、豊富な練習量で戦力が底上げされている。
冒頭で優勝候補に挙げた4校には、ある共通点がある。それは、将来有望な新2年生の逸材を擁していることだ。
「新2年生」といっても、大会が開幕する3月18日の時点では1年生である。昨秋の公式戦でも大活躍を見せた、4人の“スーパー1年生”を紹介していこう。
佐々木麟太郎(花巻東)、いざ甲子園デビュー
大会の目玉格になるのは、花巻東のスラッガー・佐々木麟太郎である。身長183センチ、体重117キロの巨漢で、その大きな後ろ姿は背番号3が小さく見えるほど。ボールがバットに当たる瞬間のインパクト音は一人だけ異質の爆発音で、レフト方向にも放り込める。1年終了時点で高校通算50本塁打をマークする選手など前代未聞だ。
父は菊池雄星(マリナーズFA)、大谷翔平(エンゼルス)を指導した花巻東監督の佐々木洋。さらに中学時代は金ケ崎シニアで大谷の父・徹に指導を受けた。そんな生い立ちまでドラマティックだ。
手のしびれに悩まされていたこともあり、昨年12月に胸郭出口症候群のため両肩を手術した。貴重なトレーニング期間を治療にあてることになってしまったが、3月の大会までにベストコンディションを取り戻せるか。