甲子園の風BACK NUMBER
大阪桐蔭に受け継がれる主将の系譜…168cmの新キャプテン星子天真に勇気を与えた「福井さん」《昨秋は公式戦負けなし》
posted2022/01/28 17:03
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph by
Fumi Sawai
大阪桐蔭の新チームが結成されると、戦力はもちろん、毎年注目してしまうのが「今年はどんなキャプテンがチームを率いるのか」である。
全国から精鋭が集う大阪桐蔭を牽引するキャプテンは、毎年違ったカラーの選手が務める。特に甲子園に出場するたびにそのキャプテンの姿がクローズアップされてきた。
近年で言えば、2017年センバツ優勝時の福井章吾(慶大→トヨタ自動車)、18年春夏連覇時の中川卓也(早大3年)といったタレント軍団を束ねる統率力に優れた人物がキャプテンが務めてきた。
そんな歴代の先輩たちの後を継ぐ「主将」を託されたのは、168cmと小柄な星子天真だ。昨秋の大阪大会決勝、星子は二塁のポジションでとにかく小刻みに動き、マウンドにいる1年生左腕の前田悠伍を鼓舞していた。
西谷浩一監督は、新主将についてこう明かす。
「背中で示すタイプのキャプテンですね。体は小さいですがパンチ力もある。入学してきた時からしっかりしている子で、学年のまとめ役もやっていました」
藤浪&森の春夏連覇を見て
熊本県出身。野球を始めた小学校2年生の時、甲子園で春夏連覇を果たした大阪桐蔭の躍動をテレビで見て釘付けになった。当時の藤浪晋太郎(阪神)、森友哉(西武)のバッテリーが、星子の目にはまぶしく映った。
「特に森さんが2年生であれだけ活躍されていて、すごいなと思っていて。それから大阪桐蔭に憧れるようになりました」
星子が当時から自信を持っていたのはバッティング。体は同世代のなかでは大きい方で、飛ばすことは誰にも負けないと自負していた。ただ、学年が増すごとに徐々に状況が変わっていった。