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坂本勇人は今年34歳、菅野智之も33歳に…巨人・原監督がオーナーの要求「“若手育成”と“日本一”の両立」を実現するための《2つの条件》
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki(L),Hideki Sugiyama(R)
posted2022/01/28 17:05
ベテランの域に差し掛かった菅野(左)や坂本
当たり前だがこの2つの条件が揃って、初めて監督は「勝つ」というミッションに挑みながら、若手選手を我慢して使い続ける条件が整うのである。
そこで初めて「勝ちながら育てる」という二律背反のミッションが現実味を帯びてくる。
いよいよ迫るキャンプ。巨人は「育成」のために山崎伊織、堀田賢慎両投手に秋広優人、中山礼都良内野手と法大出のドラフト5位・岡田悠希外野手らを一軍キャンプに抜擢した。さらに投手では主軸として一本立ちが期待される戸郷や高橋、さらに野手では二塁のポジションを狙う吉川尚輝、廣岡大志内野手や昨年ブレークした松原聖弥外野手……。彼らが5年後を担う主軸となっていくための、試金石となるキャンプでありシーズンとなるはずだ。
原監督「同じ力なら若手を使う」
彼らに求められるのは一にも二にも「我慢して使ってもらうこと」ではなく「監督に我慢させて使わせる」ようになることだ。その上で「勝利」と「育成」を両立するための原監督の仕事は、若手選手を我慢して使い続けられる環境、それだけ厚みのあるチームを作ることになる。
それは野手だけではなく、投手も同じだろう。
そのためにはもちろん坂本、岡本に丸佳浩外野手、菅野と山口俊やC.C.メルセデス投手という主軸がどれだけシーズンを通じてバランス良く結果を残せるかが第一のポイントだ。そしてもう1つは若手育成とは真逆に映るかもしれないが、実は新外国人選手のグレゴリー・ポランコ外野手やマット・アンドリース投手、再起をかける中田翔内野手や井納翔一投手らがどれだけきちっと働くシーズンになるのか。そのチームの厚みこそが若手が羽ばたくジャンピングボードになるからだ。
「同じ力なら若手を使う」
原監督は言う。
いまが同じならば、未来を買うことは約束されている。だから同じところまで上がってこい。
これは若手への指揮官の檄である。
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