次期順位戦への気持ちの面という部分はもちろんのこと、順位1つ変わるだけでも、本当に大きく影響してくる。そういった意味でも精いっぱい戦いたいです。

　ちなみに……昇級についてTwitter上で報告しましたが、本当に多くの方々からコメントや「いいね！」をいただきました。この場を借りて感謝をお伝えしたいです。

　将棋棋士は、基本的に孤独な戦いが続く職業です。

　対局では盤を挟んで相手がいるとはいえ、準備段階だと、家で1人でパソコンに向かって研究に打ち込む日々です。そういったときに孤独感を覚えるのは事実なのですが、こういった報告をして反響があった際に「ああ、いつも応援していただいているのだな」と凄く実感できます。

　これがやはり、将棋をやる上での何にも代えがたい喜びです。それに触れられたのが、何よりも大きな収穫と思っています。

当事者意識をもって「B級1組」の表を見てみると

　ちなみに昇級が決まって、あらためてB級1組の表を見ました。なんというか、さらなる強豪が居並ぶと言いましょうか（笑）。当事者意識を持ってみていると……「鬼の棲家」という表現を痛感する、恐ろしいリーグだなと感じます。

　さらにB級1組からはすべての棋士との総当たり戦になったり、降級点制度がないので1年の成績が悪かったらいきなり陥落するリーグでもあるという厳しさがあります。最近で言えば……千田翔太七段が、藤井聡太竜王の先手番相手に勝利を得ました。藤井竜王ほどの実力者といえども簡単に昇級を決められなかったことが、そのレベルを象徴しているだけに心したいと思います。

　その藤井竜王と渡辺明王将が相まみえている王将戦についても、お話しできればと思っています。＜王将戦編に続く＞

#2に続く

藤井聡太vs渡辺明の“王将戦神局”を中村太地が解説 「羽生先生と通じるのは…」「2人でなければ“将棋が壊れてしまう”のでは」