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“女性名”を変えてまでアポ取り…マイナーリーグ初の女性監督バルコベック(34)が乗り越えてきた高すぎる“障壁”とは 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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posted2022/01/20 06:00

“女性名”を変えてまでアポ取り…マイナーリーグ初の女性監督バルコベック(34)が乗り越えてきた高すぎる“障壁”とは<Number Web> photograph by Getty Images

19年からヤンキースのマイナー打撃コーチに就任したバルコベック。中南米選手への指導を円滑にするため、スペイン語も習得した

 ユニホーム組としては初の女性とはいえ、ヤンキースは以前から性別を問わず、背広組で優秀な人材を球団運営に起用してきた。1998年にはGM補佐としてキム・アング氏を、同氏退職後はジーン・アフターマン氏を迎えるなど、メジャー内ではいち早く女性を登用してきた。

 そのアング氏が、一昨年オフ、女性として初めてマーリンズのGMに就任し、球界内だけでなく、全米中から注目を集めた。このほか、20年にはジャイアンツがメジャーのアシスタントコーチとしてアリッサ・ナッケン氏を、21年にはレッドソックスがビアンカ・スミス氏をマイナーリーグのコーチとして起用するなど、球界内でも女性の進出が目立つようになった。

偏見は「笑い飛ばしていく」

 確かに、依然として女性への偏見や好奇の目で見る向きは少なくない。それでも、バルコベック氏は平然と言った。

「女性に対してネガティブな意見を言う人はいる。でも、私はそれを笑い飛ばしていく。これはアメリカン・ドリームなんだから」

 オーストラリアのプロリーグでは、今季、女性として初めてジェネビーム・ビーコム投手(17)が実戦デビューした。

 米国には、常に既成概念を打ち破ってきた歴史があるだけに、近い将来、メジャーの女性監督や女性選手が登場する日が来るのかもしれない。

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