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筒香嘉智が2億円“自腹”でスタジアム建設! 少年野球の“環境改善”に全力をつくすワケ「内外野ともに天然芝のグラウンドに」
posted2022/01/18 06:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Getty Images
ピッツバーグ・パイレーツの筒香嘉智外野手が、子供たちの理想の野球環境を求めて、生まれ故郷の和歌山・橋本市に「TSUTSUGO SPORTS ACADEMY(筒香スポーツ・アカデミー)」を設立することになった。施設の工事はすでに始まっており、一部となる室内練習場は昨年末にほぼ完成。残る野球グラウンドなどは2022年度中に完成予定だが、スポンサーはつけずに工事費用のおよそ2億円はすべて筒香が私費を投じて作り上げる。
1人の野球選手によるプロジェクトとしては前代未聞のアカデミーは、筒香が抱く子供たちの理想の野球環境作りへの第一歩となるものだ。
「今までは言葉だけでしたけど、いよいよ実際に動き出すことにしました」
筒香から「アカデミーの設立と球場建設」の話を聞いたのは、昨年12月末に取材で会ったときのことだった。
聞いた瞬間には個人でやるにはあまりに話のスケールが大き過ぎて、現実味が全然湧かなかった。
「お金も全部自分で出して作ります」
そこで「エッ、市とか県とかが協力してくれるの?」と思わずこんな質問をしてしまった。
「いえ、全部、自分でやります。お金も全部自分で出して作ります」
また「エッ、すごい金額になるんじゃないの?」と愚問を発する。
「まだ全部でどれくらいかかるかは正確にはわからないんですけど、確かに結構、かかります。でもそろそろ実際に動き出さないといけないと思うんです。だから本気で球場を作って、球場が完成したら、そこに少年野球のチームを作ろうと思っています」
そんな本人の話を基に、実際に指揮を執っている実兄の筒香裕史さん(株式会社Go estudio代表)に取材を進めていくと、プロジェクトの概要が明らかになっていった。