酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
トライアウトから球団経理やボートレーサー? ビッグボスになった新庄や巨人戦力外→DeNA宮國椋丞は有名だが…実は知らない「その後の進路」
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki
posted2022/01/17 11:03
2020年のトライアウトに参加した宮國椋丞。DeNA育成契約を経て2021年には古巣・巨人を相手に勝ち投手となった
東大史上最強ピッチャー宮台、ボートレーサーに転身した人も
東京大学最強の投手と言われた宮台康平は、一軍出場はなかったものの、今季も契約を結んだ。このコラムでは昨年の二軍キャンプで投げる宮台の姿をレポートした。
風張蓮は昨季は一軍で5試合に投げたが、オフに戦力外となり、2021年もトライアウトを受けた。しかしオファーは今のところない。
藤井皓哉(広島・投手)は、NPBのオファーはなく独立リーグ、高知ファイティングドッグスに入団。しかし昨年5月の交流戦でソフトバンクの三軍相手にノーヒットノーランを記録。8月に対戦した時も8回を零封。筆者はこの試合を見ていたが、打者を全く寄せ付けない圧巻のピッチングだった。ソフトバンク関係者には強烈な印象だったようで、12月14日にソフトバンクが育成での獲得を発表した。
なお野田昇吾(西武・投手)は、ボートレーサーに転身している。
過去3年間のトライアウト挑戦者で異例の転身をしたのは、言うまでもなくビッグボスこと新庄剛志(日本ハム・外野手)だ。一昨年、神宮のトライアウトでは一選手としてプレーしオファーを待つ身だったが、昨年は日本ハム監督として、トライアウトを視察した。
なお、西岡剛(阪神・内野手)も2018、2019年とトライアウトに挑戦したが、今季から新球団福岡北九州フェニックスのプレイングマネージャーだ。
そういう道もあるにはあるが、トライアウトは「野球」という「好きなこと」を生涯の仕事できるかどうか、の瀬戸際の挑戦ではある。活路は限りなく細く、険しい。
「人間到る処青山有り」というが、彼らの「第2の人生」に幸あれと祈りたい。
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