酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
トライアウトから球団経理やボートレーサー? ビッグボスになった新庄や巨人戦力外→DeNA宮國椋丞は有名だが…実は知らない「その後の進路」
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki
posted2022/01/17 11:03
2020年のトライアウトに参加した宮國椋丞。DeNA育成契約を経て2021年には古巣・巨人を相手に勝ち投手となった
元ソフトバンクの左腕エース、大隣憲司は2017年にトライアウトを受けたものの年内はオファーがなかったが、翌春、ロッテの石垣島の春季キャンプに参加して入団テストを受けて合格した。たまたま筆者は大隣の合格が報じられた翌日、現地にいたが、グラウンドの横で、真新しいユニフォームを着た大隣が満面の笑みを浮かべてファンにサインをしていた。
しかし、それは極めてレアケースであり、遅くとも春ころまでには「第2の人生」を決めることになるのだ。
大谷翔平世代の元日本ハム選手は大学経由で球団職員
過去2年のトライアウトでNPBに復帰した選手は全部で7人だ。
2019年 トライアウト参加43人 NPB復帰2人
田中豊樹(日本ハム・投手)巨人
八百板卓丸(楽天・外野手)巨人
2人とも巨人の選手として2021年も一軍の試合に出場している。
また歳内宏明(阪神・投手)は、トライアウトを経て独立リーグ香川オリーブガイナーズに移籍し、9月にヤクルトと再契約した。歳内はこの年、香川の総監督に就任した元ソフトバンクの松中信彦氏の紹介で香川に入った。筆者は香川時代に話を聞いたが「圧倒的な成績を残してすぐにNPBに戻る」と決意を語っていた。
しかし歳内は1年目こそ1軍の試合に出たが2年目の昨年は二軍暮らしで戦力外となり、今年から阪神の球団職員になっている。
この年、トライアウトを受けた寺田光輝(DeNA・投手)は三重大、筑波大と国立大を経てのプロ入り、一軍試合経験はなかったが、2021年6月末に東海大学の医学部編入試験に合格。医師への道を目指すことになった。
森本龍弥(日本ハム・内野手)と森山恵佑(日本ハム・内外野手)は、大谷翔平世代。大谷からも励ましの連絡があったようだ。2人はセカンドキャリアのためのビジネス力をつける日本営業大学に1期生として入学した。筆者は入学式で話を聞いたが、スーツ姿の2人はともに戸惑いの色は隠せないながらも「前を向かないと」と言っていた。その後、森山は日本ハムの球団職員になっている。
2020年 トライアウト参加56人 復帰5人
宮國椋丞(巨人・投手)DeNA
小澤怜史(ソフトバンク・投手)ヤクルト(育成)
田城飛翔(ソフトバンク・外野手)オリックス(育成)
宮台康平(日本ハム・投手)ヤクルト
風張蓮(ヤクルト・投手)DeNA
宮國は今季一軍で1勝、小澤は昨季一軍出場はなかったが育成で再契約。田城も育成契約で今季一軍出場がなかったが、オフに戦力外になる。