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中島翔哉は「市場価値10分の1」になったけどポルトガルで復調… それでも日本代表復帰に向けて“2つの懸念”とは

posted2022/01/09 17:01

 
中島翔哉は「市場価値10分の1」になったけどポルトガルで復調… それでも日本代表復帰に向けて“2つの懸念”とは<Number Web> photograph by Gualter Fatia/Getty Images

ポルティモネンセで復調の兆しを見せている中島翔哉。日本代表でその創造性あふれるプレーを再び目にできるか

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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ポルトガルで2022年、かつての日本代表10番・中島翔哉は復活なるのか。ポルト時代に同タイミングで加入したコロンビア代表アタッカーとの数奇なライバル物語をお届けする(全2回)

 2019年夏に移籍したポルトで、最初のシーズン、中島翔哉はルイス・ディアスとのレギュラー争いに敗れた。のみならず、フットボールとは直接関係のない問題から、監督とチームメイトの信頼を失ってしまう。セルジオ・コンセイソン監督の2020-21シーズンの戦力構想から外れると、2021年1月にポルトは中島のアルアイン(UAE)への半年間の期限付き移籍を発表した。

 しかし、中島は中東でも不運だった。

 2月中旬、リーグ戦で途中出場してアシストを記録し、6日後の試合に初先発したところまではよかったが、その後、練習中に腓骨を骨折、足首の靭帯も損傷してしまう。以後は、全くプレーできないままシーズンを終えた。

 5月末の時点で、彼の市場価値は350万ユーロ(約4億6000万円)まで落ちた。わずか2年余りで10分の1となったのである。

ディアスはコパ・アメリカでメッシらとともに得点王

 一方、ポルトで中島と左ウイングのポジションを争ったコロンビア人FWルイス・ディアスは、このシーズンも着実に成長した。

 リーグ戦の30試合に出場して6得点5アシスト。欧州チャンピオンズリーグでは9試合で2得点をあげ、チームのベスト8入りに貢献した。コロンビア代表では、2020年10月に始まった2022年ワールドカップ南米予選で常時出場し、12試合で2得点を挙げた。

 さらに、2021年6月から7月にかけてブラジルで行なわれたコパ・アメリカでコロンビア代表の5試合に先発。グループステージ(GS)のブラジル戦で右からのライナー性のクロスをバイシクル・キックで叩き込み、地元メディアを驚嘆させた。準決勝のアルゼンチン戦でも左サイドを引きちぎってゴールを陥れ、ペルーとの3位決定戦でも2得点をあげてチームの勝利に貢献。計4得点で、メッシらと並んで大会得点王に輝いた。

 シーズン終了後、アルアインは中島の能力を高く評価し、期限付き移籍の延長を望んだ。しかし、条件面で折り合いがつかず、2021年6月末、中島はポルトへ復帰する。

 とはいえ、2月に負った故障がまだ治っていなかったし、相変わらずコンセイソン監督は中島を戦力とみなしていなかった。

古巣ポルティモネンセへの期限付き移籍で復調

 ポルトは再び中島の売却を考えたが「保有権の50%が1200万ユーロ(約9億4000万円)」という条件に近いオファーを出すクラブはない。再び別のクラブへ期限付き移籍させるしかなかった。

 8月末、ポルトはかつて中島が在籍したポルティモネンセへの2022年6月末までの期限付き移籍を発表した。

【次ページ】 「創造性は素晴らしい」という絶賛、強豪相手に奮闘

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