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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
中島翔哉は「市場価値10分の1」になったけどポルトガルで復調… それでも日本代表復帰に向けて“2つの懸念”とは
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGualter Fatia/Getty Images
posted2022/01/09 17:01
ポルティモネンセで復調の兆しを見せている中島翔哉。日本代表でその創造性あふれるプレーを再び目にできるか
このうち、2)はポルトのコンセイソン監督が中島を再び戦力としてみなすかどうかが不透明。仮に復帰できたとしても、トップ下ではなく左サイドで起用される可能性が高い。
左サイドではトップ下より守備の負担が大きいから、持ち味を十分に発揮できないかもしれない。また、ディアスが退団したとしても、昨年7月に元U-23ブラジル代表の左ウイング、ペペ(24)が加入しており、ポジションを取れる保証はない。3)の場合もトップ下で起用されるかどうかは未知数だ。
となると、引き続きポルティモネンセでトップ下でプレーし、大車輪の活躍をみせることが日本代表復帰とW杯カタール大会出場への近道となるのではないか。
森保Jでトップ下は考えづらく、左サイドは激戦区だが
ただし、日本代表へ復帰できたとしても、トップ下でプレーさせてもらえるとは限らない。昨年10月のオーストラリア戦以降、森保一監督は4-3-3を採用することが多いが、このフォーメーションにはトップ下のポジションがない。
今後、中島がとてつもない活躍をして森保監督にトップ下のポジションを作らせるか(この場合のフォーメーションは、4-2-3-1となるだろう)、左サイドであれば攻守両面で三笘薫、南野拓実、古橋亨梧、前田大然らを蹴落とさなければならない。
W杯出場を目指すのであれば、彼に残された時間は多くない。少なくとも今年前半、圧倒的な結果を出し続けなければならない。
中島翔哉特有の自由奔放でファンタジーに満ちたプレーは、閉塞状況にある日本代表にとって起爆剤となるかもしれない。
これからの半年ほどで、2019年7月以降の「失われた2年半」を取り戻せるかどうか。キャリア上、最も重要な局面を迎えているのは間違いあるまい。<前編から続く>