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中島翔哉は「市場価値10分の1」になったけどポルトガルで復調… それでも日本代表復帰に向けて“2つの懸念”とは 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byGualter Fatia/Getty Images

posted2022/01/09 17:01

中島翔哉は「市場価値10分の1」になったけどポルトガルで復調… それでも日本代表復帰に向けて“2つの懸念”とは<Number Web> photograph by Gualter Fatia/Getty Images

ポルティモネンセで復調の兆しを見せている中島翔哉。日本代表でその創造性あふれるプレーを再び目にできるか

ディアスの市場価格は今や52億円に

 最近では、かつてのようにドリブル突破にこだわりすぎず、試合の状況に応じて最良のプレーを選択できるようになっている。トップ下であれば守備面の負担が左サイドより少ないことも幸いしているはずだ。

 ポルティモネンセというポルトガル1部の中堅クラブ(昨季は14位だったが、今季は第16節を終えて6位と好調)で、王様に近い処遇を受け、生き生きとプレーしている。

 一方でディアスは今季もさらなる飛躍を遂げている。縦への突破と決定力にさらに磨きがかかり、リーグ戦で15試合に出場して12得点4アシスト。欧州CLでも6試合で2得点を記録している。

 今や、ポルトガルで最も注目を集める選手の1人となり、市場価格は4000万ユーロ(約52億2000万円)まで跳ね上がった。ポルトへ移籍する前の2019年6月の市場価値が200万ユーロ(2億6000万円)だったから、2年半で実に20倍となった。

カタールW杯出場という目的へ、3つの選択肢

 クラブと代表での活躍は大きな注目を集め、リバプール、バイエルン・ミュンヘン、バルセロナといった世界のトップ・オブ・トップのクラブが7000万ユーロ(約91億4000万円)前後の移籍金で争奪戦を繰り広げていると報じられている。

 2019年7月、2人がポルトへ入団した時点では中島が先行していた。しかし、ディアスは中島をあっさり抜き去ったばかりか、はるか彼方へ行ってしまった。当時、中島が思い描いていたであろう夢を、ディアスが実現しつつある。

 しかし、中島は現実を直視するしかない。彼のポルティモネンセへの期限付き移籍は今年6月末までで、ポルトとの契約は2024年6月末まで残っている。

 これから中島がやるべきことは、はっきりしている。ポルティモネンセで、圧倒的な結果を出し続ける。そして、日本代表へ復帰し、11月21日に開幕するワールドカップ(W杯)カタール大会出場を目指す。

 この目的を達するため、今年後半、彼には以下の3つの選択肢があるのではないか。

 1)6月末までの期限付き移籍満了後も、ポルティモネンセでプレーを続ける(完全移籍もしくは期限付き移籍の延長)
 2)ポルトへ復帰し、レギュラー獲得を目指す
 3)ポルティモネンセ以外のクラブへ完全移籍もしくは期限付き移籍する

【次ページ】 森保Jでトップ下は考えづらく、左サイドは激戦区だが

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