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《非情のシード落ち》10区残り1kmで逆転された東海、早稲田と明治も…「箱根はごまかしが利かない」と記者が感じる理由 

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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posted2022/01/04 11:06

《非情のシード落ち》10区残り1kmで逆転された東海、早稲田と明治も…「箱根はごまかしが利かない」と記者が感じる理由<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

東海大は10区の吉冨裕太にアクシデントが発生し、ラスト1kmで法大に逆転された。そして早大、明大など常連校もシード権を逃した

 大腿骨を疲労骨折していた駒澤大の鈴木芽吹(2年)は、レース中に再び脚を痛め、失速。復路の切り札となるはずが、区間18位に終わり、4つ順位を落とす結果に終わった。

 往路で好位置につけた帝京大、國學院大の2校は、両校ともに主将に不安があった。帝京大の橋本尚斗(4年)は、12月頭までは2区を予定していたが、12月中旬に左膝を痛めていた。最終的には中野孝行監督の判断で復路の8区で出場したが、力を発揮できず順位を落とした。

 國學院大の木付琳(4年)も、12月中旬に左アキレス腱の内側を痛めていた。往路を回避し7区に回ったが、区間20位に終わった。

 いずれも、誤算というよりも、不安がそのままレース中に現れたという表現のほうが適切かもしれない。青山学院大のようにエントリーメンバー16人全員を10000m28分台でそろえられるような層の厚さを誇るチームならまだしも、それでも起用せざるをえないというチーム事情もある。この点においても、やはり青山学院大は突出していたと言える。

27分台トリオを擁した早大が露呈した層の薄さ

 大学では一流の証とされる10000m27分台ランナーを3人も起用した早大も、準備不足と層の薄さを露呈した。

 12月10日のエントリーの時点で、前回出場した小指卓也(3年)、そして諸冨湧(1年)、主力の辻文哉(2年)を登録できず、また今季好調だった菖蒲敦司(2年)が大腿骨を疲労骨折。6区山下りの一番手だった北村光(2年)の貧血も長引いた。エース格の太田直希、千明龍之佑(ともに4年)がケガから回復し、8~9割の状態まで戻ったものの、結局、足並みをそろえることができなかった。

「突貫工事で12月からバタバタして準備をしてきたので、そのツケが回ってきた結果だと思います。復路もだいぶ順位の変動がありましたけど、私達は蚊帳の外で、自分たちがやりたい駅伝ができなかった」(相楽豊駅伝監督)

 1区の出遅れが最後まで響き、流れを変えることができずに13位でレースを終えた。

 14位の明大も同じだ。「状態は良かった」と山本佑樹駅伝監督はいうが、前回大会同様に序盤の遅れが痛手になった。復路は3位と巻き返したものの、14位まで押し上げるのが精一杯だった。

【次ページ】 「トラックと箱根駅伝はまた別物」な理由

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