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青学大前主将・神林勇太さん(現サッポロビール勤務)に聞いた、箱根駅伝の展開予想と“注目選手”「近藤(幸太郎)は、過去最強だと思います」 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2021/12/31 17:04

青学大前主将・神林勇太さん(現サッポロビール勤務)に聞いた、箱根駅伝の展開予想と“注目選手”「近藤(幸太郎)は、過去最強だと思います」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

青学大の前キャプテンで、現在はサッポロビールに勤める神林勇太さん。2020年の箱根駅伝で9区区間賞を受賞した

神林さんの2022年箱根駅伝 “展開予想” 

 近藤からは時々、連絡が入るという。全日本大学駅伝の際は、「何かアドバイスがありますか」と連絡が入った。その時、近藤に「昨年の神林さんの走りがチームに今、引き継がれています。みんな、神林さんのようになりたいって本気で思っているんですよ」と言われた。チームには諦めず、最後まで責務を全うする「神林魂」が浸透しているという。それを聞いた神林さんは「嬉しかったですね」と表情を崩した。

――今年の箱根駅伝、どういう展開だと予想していますか。

「最終的には、青山と駒澤との一騎打ちかなと思います。ミスをせず、どちらが完璧なレースをできるか、ここに尽きるでしょう。青山が一番気を付けないといけないのは、調整段階での部内競争で選手が疲弊してしまい、本番でのピークがズレてしまうことです。みんな、箱根を走りたいので、本当はキツいのにキツくないとか調子いいですとか、偽りの自分を見せようとするんですよ。でも、そういうので無理すると怪我につながるので、気を付けてほしいですね」

「優勝したらビールをたくさん抱えて行って…」

 神林さんは、主将の飯田に特別な思い入れがあるという。1年の時に箱根を走ってから伸び悩み、飯田自身も苦しんでいた。2年の時には全日本大学駅伝のアンカー勝負で東海大に敗れ、悔し涙を流した。今季の全日本大学駅伝でもアンカー勝負で駒澤大に敗れて、号泣した。辛い経験が多く、バカがつくほど真面目な性格ゆえに神林さんは彼の努力が報われてほしいと願っている。

――最後は、飯田選手の笑顔を見たいですね。

「そうですね。寮では一緒にゲームをしたりして、仲が良かった。ずっと飯田の苦労を見てきましたし、前回の箱根で自分が給水係をしたのが9区の飯田でした。最後に一緒に飯田と走れたのはなるべくしてそうなったのかなと。泣きそうになりましたけど、いい経験をさせてもらいました。飯田は昨年、僕らを優勝させることができなかったのがすごく悔しかったようで、『今年は絶対に優勝します』と言っています。最後の箱根でいい走りを見せて、青山を優勝に導いてほしいですね」

 箱根駅伝の二日間、神林さんは、ラジオ解説者としての出演が決まっている。飯田が駆けるシーンを見た時、どんな思いが胸に去来するだろうか。

「優勝したらビールをたくさん抱えて行って、乾杯したいですね」

 神林さんは、その時を楽しみにしている。

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《前回箱根は無念の欠場→サッポロビールに就職》青学大前主将・神林勇太さんが語る社会人1年目の今「脂肪が少しお腹についてきました(笑)」

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