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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
《前回箱根は無念の欠場→サッポロビールに就職》青学大前主将・神林勇太さんが語る社会人1年目の今「脂肪が少しお腹についてきました(笑)」
posted2021/12/31 17:03
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Wataru Sato
箱根駅伝直前に判明した「疲労骨折」
前回(2021年)の箱根駅伝、神林勇太さんの名前は、補欠にあった。
優勝候補・青学大の主将であり、全日本大学駅伝では7区区間賞の走りを見せトップでアンカーの吉田圭太に襷を渡した。吉田とダブルエースと言われた選手が、区間エントリーで補欠に回っている。各大学は、主将が走る、走らないではなく、どこに置かれるのかを注視していた。
だが、結局、往路に彼の名前はなかった。翌日の復路も当日変更で彼の名前が書きこまれることはなかった。
「仙骨の疲労骨折」
レース後に報道された怪我は、区間エントリー発表の前日に判明したことが分かった。
――学生最後の箱根駅伝を前に疲労骨折が判明した時は、どういう気持ちだったのでしょうか。
「人生で初めて、自然と涙が出てきて、誰もいないところで声を上げて泣きました。僕は、中学から陸上を始めて、その時からずっと箱根駅伝を走ることが目標だったんです。最後の箱根で主将として走りで貢献して、なんとしてもチームを優勝させたかった。そう思って頑張ってきたのに、結果これかよって思うと我慢できなくなって……」
――病院に行く前から嫌な予感があったんですか。
「そうですね。病院に行く前、同期の仲間には、『折れていたら、もう無理だから頼むね』と冗談半分で言ったんです。そうしたら仲間が『1年間、引っ張って来てくれてありがとう』と言ってくれて。折れたことが分かった帰り道にその言葉を思い出して、いろんな感情が湧いて、あんなに泣いてしまったのかなと思います」
「キャプテンになって、新しい責任が生まれたんです」
神林さんが主将になったのは、前々回(2020年)の箱根駅伝の総合優勝を果たした直後だった。鈴木塁人たちの代が引退し、すぐにチームを引き継いだ。新チームが始動し、4月からシーズンインすると神林さんの中にこれまでにない気持ちが芽生えてきた。