熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
ロナウドは“80億円でクラブ買収”など敏腕ビジネス、ロナウジーニョは借金+トラブル… 引退後が対照的かつトリッキーすぎ
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byJMPA
posted2022/01/03 17:02
2006年W杯でのロナウジーニョとロナウド。15年経った今、2人の境遇はどうなってる?
現役時代の実績では、ロナウドに引けを取らない。
超絶テクニックに加えて、ノールックパス、空中エラスチコ(右足のアウトサイドでボールを外へ押し出してから急激に内側へコースを変えるドリブルを空中でやる)、背中トラップといった華麗にして奇想天外なプレーで世界中のファンを魅了した。
ブラジル代表では2002年W杯で優勝し、クラブでは2003年から2008年まで在籍したバルセロナで全盛期を迎えて、2004年と2005年の世界最優秀選手。2005-06シーズンの欧州CLを制覇している。熱狂的なファンが多かった点では、ロナウド以上かもしれない。
ロナウジーニョの私生活トラブル史が凄まじい
2015年に現役を退いてからは、世界各国で行なわれるチャリティ・ゲームやイベントに参加して相変わらずの妙技を披露し、“フットボール伝道師”を自認。「職業はロナウジーニョ」なのである。
しかし、私生活ではトラブル続き。
環境保護地区にある敷地に違法建築物を作って罰金を科され、罰金と利子の合計850万レアル(約1億7000万円)を滞納してパスポートを没収されたり、19の不動産の土地家屋税を滞納して罰金と利子が約1800万レアル(約3億6000万円)に膨れ上がったり、自身が広告塔を務めたデジタル通貨のねずみ講(共同オーナーと自称していた)に出資して損失を被った顧客から約3億レアル(約60億円)の損害賠償を求められたり、昨年3月、パラグアイに偽造パスポートで入国しようとして逮捕され、半年近くも留置所に収監されたり……。
女性関係では、2016年から18年まで2人の女性と同棲する“3人婚”をしていたことが発覚。そのうちの1人と別れたところ「6年間、事実上の婚姻関係にあった」として毎月10万レアル(約200万円)の生活費を請求され、この要求を認めた裁判所の支払い命令から逃げ回っている。
度重なる不祥事のためイメージが悪化し、昨年3月以降はパンデミックの影響も受けて、“フットボール伝道師”としての活動が激減している。