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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
実働3年でケガ続きの戦力外、今も右ひじは曲がったままだが… 元ロッテ守護神が「育成でもプロを経験してほしい」と語るワケ
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2021/12/25 17:02
現在の荻野忠寛。プロの世界で戦った右ヒジは曲がったままだという
「僕は5回の手術を通して、医師の言うことを聞くだけではなくて、自分で自分の体のメカニズムを理解し、故障した時にはどうすればいいか、どんな治療、リハビリをすればいいか、答えを見つけることができるようになりました。医師であっても僕の復帰を助けてくれるわけではありません。自分で考えないとダメなんです」
少年野球などで指導を行っている
引退後は少年野球など、様々なレベルで、野球指導を行っている。また「スポーツパーソンシップ」という考え方を重視し、スポーツマンとしての野球選手はどうあるべきかの情報発信も行っている。近年は知的障碍者への野球普及活動もサポートしている。
こうした多方面の活動をするうえで、プロ野球での起伏の多い8年間の経験は、何物にも代えがたいバックボーンになっているという。
「プロ野球選手は、才能に恵まれているだけでなく、プロに入ってからも、ものすごいトレーニング、努力をしています。そうした努力は、中に入ってみないと絶対にわからない。
小宮山悟さんは、僕が入団した時には、もう40歳を超えていましたが、登板の前にはすごい準備をしておられました。トップクラスの選手たちの意識の高い練習、野球に向き合う態度を目の当たりにしたから、僕はプロで曲がりなりにも実績を残すことができましたし、その後も活動できているのだと思います。
野球で生きていきたいと思っている人は、一度はプロ野球の世界を体験したほうがいいと思います。そこでトップクラスのプロ選手がどれだけよく考えて、すごい努力をしているかに触れたほうがいい。たとえ育成契約でもいいから、プロを経験してほしいですね」<前編から続く>
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