――今年はエビアン選手権4位、AIG全英女子オープン20位、そして今回のQシリーズで7位と、いずれも初めてのコースで結果を出しています。その強さの秘訣は何だと思いますか？

片平　エビアン選手権で初めて古江選手にお会いしましたが、優勝争いに絡んでいても「全然、緊張しないんです」と話していました。コースを歩くスピード、練習のルーティン、言葉を話すテンポも常に一定。どんな時もパニックにならない。どこに行っても戦える精神的なタフさは感じました。

　あと、「疲れた」と決して言わないんです。Qシリーズの1週目が連戦の13連目だったと本人から聞きましたが、そんなことを全く感じさせません。今回も濃霧の影響でクラブハウスに3時間ほど待機させられることもありましたが、「長い1日でしたけど、疲れはどうですか？」と投げかけると「大丈夫です！」と即答。メンタルが本当に強いです。

――メンタルの強さに触れて、近い特徴を持った選手はいますか？

片平　（米ツアー通算21勝の）朴仁妃選手に似ているかもしれません。両選手とも、淡々と平常心でプレーします。ただ、サイレントアサシン（静かな暗殺者）とも呼ばれたポーカーフェイスの朴選手に比べて、古江選手はキャディと楽しそうにコミュニケーションをとっていたのが印象的ですね。ずっとニコニコしているんです（笑）。

　もちろん、プレーも似ています。両選手ともに飛距離は出ないのですが、ショットが正確でパットも上手い。古江選手は今大会でそこまでパットは決まりませんでしたが、しっかり自分のストロークで強気のパッティングができていたので全く問題ないです。

古江のバッグを担いだキャディ「so easy」

――今回キャディを務めたマイク・スコットさんは古江選手について、どんな印象をもっていましたか？

片平　1週目にマイクさんに聞いたところ「so easy（すごく、簡単です）」と言っていました。「フェアウェイやグリーンを外さないし、『（古江選手に）あそこに打ってみようか』と言ったら、本当にそこに打ってくれる。性格も良いから、すごくやり易い。僕の仕事はなくて、キャディバッグを担いでいるだけです」と。そうは言いつつも、試合中はお互いによくコミュニケーションをとっていましたし、2週目は（パットの）ラインを一緒によく読むようになったりして、徐々に団結力が高まっていったように見受けられました。

――最終日にホールアウトして、来季のシード権獲得が分かった瞬間の古江選手の様子はどうでしたか？

片平　大喜びという感じではなく「よかった〜」と飄々としていました。最後まで感情的にならず、とても21歳とは思えない落ち着きでした（笑）。そこが古江選手の強さなんでしょうね。

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