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「90分間止まらない、倒れない」 “わずか6年で福島県2部→Jリーグ昇格”いわきFC、衝撃のフィジカル革命《試合前日もベンチプレス》 

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川端康生

川端康生Yasuo Kawabata

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photograph byJ.LEAGUE

posted2021/12/16 11:02

「90分間止まらない、倒れない」 “わずか6年で福島県2部→Jリーグ昇格”いわきFC、衝撃のフィジカル革命《試合前日もベンチプレス》<Number Web> photograph by J.LEAGUE

2022シーズンのJ3昇格を決めた、いわきFC

 あの日の札幌厚別公園競技場は雨で、ピッチは“重馬場”。当然、選手たちは消耗するはずだが、彼らのプレー強度は落ちるどころか、むしろ上がったようにさえ見えたのだ。それは時間とともにトーンダウンしていった札幌との対比でより鮮明だった。

「エディー・ジャパン」を想起させるたくましい姿

 特にダメ押しの4点目のシーン。

 相手に奪われたボールを追いかけて奪い返し、反転。そのまま前へ持ち出し、相手のコンタクトを持ちこたえながら、さらに前へと仕掛け、ゴールに結びつけた。

 そのたくましい姿から想起したのはラグビーの「エディー・ジャパン」だった。

「日本人の問題は体が小さいことではなく、フィジカルの強さが足りないこと。日本では適切なS&Cがされていない」と断じたヘッドコーチの下、ハードトレーニングを行った選手たちが南アフリカ相手に走り負けず、当たり負けず、倒れてもすぐに起き上がり……その末にワールドカップで歴史的番狂わせを起こしたあのチームである。

 エディー・ジョーンズがもたらしたのと同じような変革が、いわきFCから起きるかもしれない。

 そんな可能性さえ感じさせる印象的なゲームであり、シーンだった。

 もちろん、フィジカル革命への彼らの姿勢は現在も続いている。

 試合翌日も、その次の日も選手たちは筋トレを行う。それどころか試合前日にも重いベンチプレスを挙げにトレーニングルームにやって来る。

 大倉も田村も「いまではそれがクラブのカルチャーになっている」と言う。

 それまで日本サッカー界にはなかった、いわきFCが作り、根付かせた新たなカルチャー。

 合言葉は「90分間止まらない、倒れない」である。<後編に続く>

#2に続く
「普通のJリーグのチームにはなりたくない」いわきFCのフィジカルだけでない “震災からの復興ホームタウン革命”

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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