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《1、2年目で見切られた若手~39歳が参加》Jトライアウト運営・元プロ選手の願いと“安田理大33歳のPR動画”とは
posted2021/12/15 06:00
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph by
Tetsuro Kaieda
ひとつのシーズンが終わり、チーム再編の季節。12月9日と10日、所属クラブを契約満了となった選手たちが参加する「2021 JPFAトライアウト」がフクダ電子アリーナで開催された。日本プロサッカー選手会(JPFA)が主催し、現役を続けたい選手の移籍機会を創出するのが狙いだ。
青色ビブスの20番。配布された資料のアピールポイントの欄が目を引いた。
〈両サイドバック、両ウイングバックをこなせるユーティリティープレーヤー。ベンチでも、もちろんスタメンでもチームの勝利に貢献します。ヤンチャだったのも昔の話。今は若手の見本にもなれるプレーヤーになりました〉
末尾に〈ハイライトはこちら→〉とプロモーション用の動画URLを案内する丁寧さだ。
五輪代表、ナビスコMVPの安田理大33歳も参加
安田理大、33歳。今季、ジェフユナイテッド千葉で35試合に出場しながら契約の更新はなかった。
ほかの選手はドリブルやヘディング、対人プレーの強さなど、得意とするプレーを簡潔に記す程度である。安田の場合、この機会を無駄にすまいという強い意気込みを示すとともに、特有の関西人気質、茶目っけも手伝ってのことだろう。
Jリーグ通算285試合出場9得点、オランダや韓国でもプレーし、五輪代表、フル代表とその経歴は華やかだ。ジュニアから生まれ育ったガンバ大阪ではナビスコカップ、天皇杯などのタイトル獲得に貢献し、個人としてもニューヒーロー賞、大会最優秀選手賞(ともに2007年ナビスコカップ)に輝いた。
安田はトライアウトに参加した動機に関し、「前回、新潟を契約満了になったあとは新しいチームがなかなか見つからず、家族を不安にさせてしまったので少しでも早く移籍先を決めたい。クラブ関係者に対する決意表明みたいなものです。カテゴリーにはこだわらず、とにかく現役を続行したいと考えています」と語っている。
今回のトライアウトは2日間で91人を集め、最年長は39歳6カ月16日の柴崎貴広(東京ヴェルディ)、最年少は20歳10カ月19日の相澤ピーターコアミ(千葉)だった。7対7のミニゲーム、11対11の試合形式と進行するなか、選手たちに流れを説明し、全体の動きに目を配る人物がいた。
かつて、東京Vや横浜FCなどでプレーした戸川健太である。