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恩師は「20歳・奥川恭伸」をどう見た? 星稜高時代と共通する“翌年の成長”と山本由伸からもらった“宿題”とは
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph byKiichi Matsumoto
posted2021/12/06 11:04
奥川恭伸の恩師である林監督は、日本シリーズでの登板を振り返り「この1年間でここまで来るとは思わなかった」とその成長に驚いた
ローテーションを10日以上空けながらとはいえ、オープン戦から一度も長期離脱することなくシーズンを終えた。だが、3年目となる来季はさらなる“フル回転”も期待される。
「日本シリーズは本来なら第6戦で先発する可能性があったのに、先発はなかった。間隔をしっかり空けて投げさせてもらっている。相当大事にしてもらっているなと思います。奥川は、段階を踏んで最終的な目標は高いところに設定していると思うので、ケガをせずにチームに貢献できるよう、1年間、ローテーションを守れるようしっかり投げ切って欲しいですね。勝ち星の数よりもそこが一番です。
高校野球で投げていた時は少々のごまかしが利いた時もありますが、プロはそうはいかない。プロのバッターは万全じゃないと抑えられない。奥川本人もそれはよく分かったはずでしょう。そして日本シリーズの経験は大きな財産になったはずです」
そんな中、林監督はあるひとつの“縁”を感じていた。
「昨年の広島戦で打たれたのも11月10日。今年の巨人戦のプロ初完封の試合も11月10日。実は神宮大会の広陵戦も、11月10日なんですよ。11月10日は、奥川に何かを与えてくれる日なんでしょうか。ただ、与えられたものを翌年に力に変えられるのが奥川の凄さですね」
今、在学している星稜の投手は奥川に憧れて入学してきた選手が多く、大先輩の躍動が彼らの大きな活力になっているという。
「(来春での退任が決まっているが)そういった伝統が継承されるよう、こちらも指導していかなくてはと思っています。県内のみならず、奥川には多くの子供たちに目標とされるピッチャーになってもらいたいです」
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