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「川崎は厳しい」強豪ブレイブサンダースならではの練習環境で成長を期す、移籍組・前田悟と期待の若手・増田啓介 

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吉川哲彦

吉川哲彦Akihiko Yoshikawa

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photograph byB.LEAGUE

posted2021/12/04 11:00

「川崎は厳しい」強豪ブレイブサンダースならではの練習環境で成長を期す、移籍組・前田悟と期待の若手・増田啓介<Number Web> photograph by B.LEAGUE

移籍組として期待がかかる前田(左)と、成長の期待も大きい若手の増田(右)。ともに日本代表を狙える逸材だ

「10年近く一緒にプレーしている選手が多い中に入って、連係面など難しいところもありますし、プレータイムが少なくてリズムがつかめず、そこでフラストレーションを溜めてしまったというのもあります。短い時間の中で『決めなきゃ、活躍しなきゃ』と思って、自分らしいシュートではなくなってしまっていました」

 昨シーズンまで在籍していた富山グラウジーズとは選手層も違い、プレータイムが減る可能性もあることは前田自身織り込み済みだったはず。事実、ベンチスタートという慣れない役割にも苦しんでいるが、そもそも何故移籍を決断したのかという点については、前田はこのように語る。

「優勝を狙いたいというのがまず一つ。あとは、プレーの幅を広げること。もう1ランク、2ランク上の選手になるためには厳しい環境に飛び込まなきゃいけないと思いますし、挑戦したいという思いが強かったです」

 実際に、外国籍選手のプレータイムが長いこともあってハードな練習よりもコンディション調整を重視していた富山と異なり、川崎の練習は厳しいと前田は証言する。他の選手が日々自主練習に取り組む姿などを見ても「プロフェッショナルだな」と感じているそうだ。そんな環境にあえて身を置き、自身の出来に悔しさを感じる中でも地道に練習を重ねてきたことで、徐々に自身のリズムを取り戻してきていることを前田は実感している。本人曰く、「周りに何を言われようと、自分は絶対にできる」といつも自信だけは失わないように心がけていたと言う。何があっても一喜一憂することなく、自身としっかり向き合いながら取り組むことができるメンタルの強さも前田の武器だ。

若手からチームの主力へ

 チームから主力として扱われているとはいえ、大卒3年目の前田は年齢的にはまだ若手に入るが、同じく若手ながら既に川崎で十分な存在感を示しているのが、前田の1学年下にあたる増田啓介だ。筑波大3年時から2シーズン連続で川崎の特別指定選手となった増田は、晴れてプロとなった昨シーズンに早くもプレータイムを確保。天皇杯決勝ではチーム最多の13得点で優勝に大きく貢献するなど、その働きは誰もが認めるところだろう。

【次ページ】 川崎ならではの“変わらない力”

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