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「川崎は厳しい」強豪ブレイブサンダースならではの練習環境で成長を期す、移籍組・前田悟と期待の若手・増田啓介

posted2021/12/04 11:00

 
「川崎は厳しい」強豪ブレイブサンダースならではの練習環境で成長を期す、移籍組・前田悟と期待の若手・増田啓介<Number Web> photograph by B.LEAGUE

移籍組として期待がかかる前田(左)と、成長の期待も大きい若手の増田(右)。ともに日本代表を狙える逸材だ

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吉川哲彦

吉川哲彦Akihiko Yoshikawa

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 シーズンの約4分の1を消化し、12月3日現在、Bリーグの東地区の首位に立っているのは川崎ブレイブサンダース。開幕した10月は宇都宮ブレックスと琉球ゴールデンキングス、レバンガ北海道に1つずつ敗れているが、その後6連勝で11月のバイウィークに入り、11勝3敗という数字は西地区首位の琉球と並んでリーグ全体でも最も高い勝率だ。

 そもそも川崎はJBLの時代から強豪の名をほしいままにしてきたチームであり、リーグや天皇杯を何度も制覇してきた。Bリーグになってからも常に優勝候補の一角に挙げられ、就任2シーズン目の佐藤賢次ヘッドコーチがビッグラインナップを見事に機能させた昨シーズンは7年ぶりに天皇杯のタイトルを獲った。リーグ戦はチャンピオンシップセミファイナルで宇都宮に屈してしまったが、今シーズンも優勝候補であることは疑いようもない。

 その土台にあるのは、入れ替えの少ないメンバー構成で一貫した戦略をブラッシュアップさせることができた継続性だ。Bリーグ以前、東芝ブレイブサンダースだった頃は日本人選手が全員東芝の社員であり、移籍による入団・退団が他クラブに比べて少なかった。もちろん、HCも現在の佐藤HCまで全てOB。クラブの歴史を知る不動のメンバーで積み上げられてきたカルチャーが、今もチームの根幹をなしている。

生え抜き主義からの転換

 プロクラブとなったBリーグ以降は選手が他クラブに移籍するケースも少しずつ増え、昨シーズンの天皇杯制覇まではタイトルに手が届かなかったこともあり、前HCでもある北卓也GMは戦力のテコ入れにも力を入れるようになってきた。今シーズンに関しては、その目玉となったのが前田悟。一昨シーズンに新人王を受賞したばかりの若手であり、移籍していった辻直人や大塚裕土に代わるシューターとして大きな期待がかかる存在だ。

 ただ、ここまでの14試合で前田が本来の実力を発揮できているかという点では、正直なところ物足りなさを感じる。開幕節の2試合こそ2ケタ得点を挙げているが、その後の12試合で2ケタ得点は1度だけ。スターター起用も1度しかなく、11月13日の茨城ロボッツ戦ではわずか5分16秒しかコートに立つことができなかった。最大の武器である3ポイントは14試合で51本、成功数は15本止まりで、その確率は30%を切っている。チームから期待の若手としてではなく即戦力、主力の1人として扱われているという自覚もある前田は、もちろんここまでの出来には満足していない。

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