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メッシもグリーズマンもいなくなったバルサの希望 スペイン代表最年少デビューを果たした17歳、ガビの負けず嫌い伝説 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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posted2021/10/30 17:00

メッシもグリーズマンもいなくなったバルサの希望 スペイン代表最年少デビューを果たした17歳、ガビの負けず嫌い伝説<Number Web> photograph by Getty Images

財政難、監督交代と苦境にあえぐバルセロナにおいて、17歳の新星ガビは未来への希望となれるか

シャビのように組み立て、イニエスタのように受ける

 技術レベルはどの年代においてもずば抜けて高く、U-18チームを指揮していたフラン・アルティガには、判断と実行の速さも絶賛されている。

「状況の変化に合わせて、テクニカルな動作をコンマ数秒の間に即興でやってのけるんだ。あれができる選手は、滅多にいない」

 シャビのように中盤から攻撃を組み立てることができ、イニエスタのように相手の守備ライン間でボールを受けて味方に有利な局面を作ることができ、デヨングのようにゴール前へ飛び出してもいける。

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 それが、カンテラの監督・コーチたちの総評だ。

 しかし、ガビの一番の特長は別のところにある。

 彼を直接知る人だけでなく、離れたところから観察してきた人までが一様に認めるのは、人並み外れた“負けん気の強さ”である。

 練習中もすぐに感情が昂ぶるため、監督が止めに入ったことが何度もあったとか。

 試合の際には、味方のクロスを相手GKがクリアしようとしているところに頭から飛び込み、ゴールを決めるも顔を蹴られて鼻が折れたことがあった。12歳のときだ。

 もっとも、そのおかげでガビは格下相手の試合でも絶対に手を抜かない。プレッシャーに屈することを知らず、大一番となればむしろ普段以上に輝く。代表での初陣では憧れのベッラッティを抑えるよう命じられたが、任務をまっとうしたうえ、昨季のUEFA最優秀選手ジョルジーニョからボールを奪いさえした。

「町の広場でやっていたサッカー」が生きている

 そんなガビの勝ち気は生まれついてのものだろうが、彼が纏う“野育ち感”とも密接に関係している。ベティスでガビを指導したフェルナンド・カセレスは、彼のプレーには「道端や町の広場でやっていたサッカー」が生きているという。

 ホセ・アントニオは、それがアンダルシア出身の選手の強みだと語る。

「ここ最近サッカーはスクールで教わるものになりつつあるが、自然に身に付いたモノも活かせなきゃいけない。アンダルシア出身者は、人々の生き方のせいだか、燦々と輝く太陽のせいだか知らないが、指導者が子供たちを自発的にしている。結局のところ、試合になったら何が起きても自分で解決しなきゃならない。私がタレントを探すときは、そうした解決力を重視していた。気持ちの強い選手ほど事態の解決に長けているからな」

 スペインサッカー界に現れた17歳の新星。

 いまだ先行き暗いバルサにとっては、新たな希望でもある。

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