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破産寸前に陥ったバルサを悩ますもうひとつの問題…“バルトメウの置き土産”クーマンは本当にアイデアを持っているのか?
posted2021/10/11 06:00
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Getty Images
スペイン時間の10月6日正午、バルセロナのレベルテルGMがバルトメウ前会長期の会計監査の結果を発表した。かいつまんで説明すると――
・ネイマールがパリSGへ移籍した17年夏以降、デンベレ、コウチーニョ、グリーズマン獲得などを理由に、選手に関するコストは61%増えた。
・その3人とメッシのここ4年間のコストは14億ユーロ(約1800億円)に達していた。この夏にメッシとグリーズマンを放出していなかったら、今季の選手コスト総額はクラブ総収入の108%に当たる8億3500万ユーロ(約1074億円)となっていた。
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・1年目よりも2年目、2年目よりも3年目の年俸が高くなる長期契約(おかげでチームはベテランだらけに)や契約延長ボーナスなどもコスト増加を後押しした。
バルサが株式会社だったら倒産していた
・年間の管理費も56%増え、6000万ユーロ(約77億円)に達していた。この額は1部の数クラブの年間予算に相当する。一方、金融費用は6倍に増えていた。その最大の原因は選手に対する無計画な投資(移籍金や高額サラリー)であり、グリーズマンのケースでは契約書にサインをする当日に資金がないことに気づき、調達に際して高額の金利支払いが発生していた。コウチーニョのときも同様で、移籍金に加えて1660万ユーロ(約21億円)を払うはめとなった。また新型コロナウイルス蔓延のせいで19年以降1億800万ユーロ(約139億円)の収入減となった。
・この結果、今年3月の時点の負債総額は13億5000万ユーロ(約1737億円)となった。当時は営業活動によるキャッシュフローはなく、クラブの純資産はマイナスだったため、バルサが株式会社だったら倒産していた。
今年3月の選挙で選ばれたラポルタ新会長はとんでもない遺産を受け継いでいたことが明らかになったわけだが、彼を悩ますバルトメウの置き土産は他にもある。
クーマン監督のことだ。