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中盤センターの質と監督力は昇格組よりも劣る…ロナウドを迎えたマンUの完全復活はいったいいつ? 

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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posted2021/10/20 17:00

中盤センターの質と監督力は昇格組よりも劣る…ロナウドを迎えたマンUの完全復活はいったいいつ?<Number Web> photograph by Getty Images

開幕戦で快勝を収め好スタートを切ったマンチェスター・Uだが、以降は低調に。問題点は明らかなのだが……

 こうした選手の特性に合わせ、なおかつゲームごとに戦略を練るのが首脳陣の仕事である。

「シティ、リバプール、チェルシーは組織としてパフォーマンスを遂行する、レスターとブライトン、ブレントフォードも同様だ。しかしユナイテッドは、選手個々の即興性に頼っている。これでは勝てない」

 ディミタール・ベルバトフの指摘である。2008年から4シーズン、ユナイテッドの前線で芸術的なプレーを披露したレジェンドも、古巣の窮状を憂えていた。

スター選手を擁しながら優勝候補の4、5番手にすぎない

 C・ロナウド、ラッシュフォード、エディンソン・カバーニ、ブルーノ・フェルナンデス、ジェイドン・サンチョ、メイソン・グリーンウッドなどなど、前線に綺羅星のごときスター選手を擁しながら、ユナイテッドは優勝候補の4、5番手にすぎない。

「中盤センターは致命的な人材難」

「スールシャール監督の手腕に疑問あり」

 多くの関係者が同じ箇所を指摘していた。そしてシーズンがふたを開けると、シティやリバプール、チェルシーはもちろん、中堅クラスや昇格してきたブレントフォードより、中盤センターの質と監督力で劣っている事実が明らかになった。

 2-4の惨敗を喫した第8節のレスター戦に続き、プレミアリーグではリバプール、トッテナム、シティと相まみえる。チャンピオンズリーグはアタランタとの連戦だ。しかも、22日間で6試合。大きな問題を抱えるユナイテッドにとって、厳しすぎる日程だ。

 豪華な攻撃陣の活躍により、五分以上で乗り切るかもしれない。しかし、それは “泡沫の夢” だ。解決策ではない。

 人材を欠いているのだから頭を使うしかないはずだが、スールシャール監督は具体的なコンセプトを明らかにせず、なんとなくベンチに座り、なんとなくピッチを去っていく。

 ユナイテッドの完全復活は、はるか彼方に遠のきつつある。

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