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中盤センターの質と監督力は昇格組よりも劣る…ロナウドを迎えたマンUの完全復活はいったいいつ?
posted2021/10/20 17:00
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Getty Images
肝が据わっていないのである。肝心要の部分が、いつまで経ってもグラついたままだ。
サー・アレックス・ファーガソン体制の晩年から、マンチェスター・ユナイテッドは中盤センターが人材難だ。
数多くの選手が試されたがすベて失敗に
チャンピオンズリーグ、プレミアリーグ、FAカップのトレブル(三冠)に輝いた1998-99シーズンはポール・スコールズとロイ・キーンが基本で、ニッキー・バットやイェスパー・ブロンクビストといったハードワーカーが脇を固めていた。
ファーガソンが「史上最強」と自負し、2006年からプレミアリーグ3連覇、08年にチャンピオンズリーグを制覇したチームでは、ダレン・フレッチャーとマイケル・キャリックが絶妙のバランスを維持していた。
しかし、ファーガソンと対立したキーンが退団し、スコールズが引退。さらにフレッチャーとキャリックが衰えると、中盤センターは深刻な人材難に陥った。
マルアヌ・フェライニ、モルガン・シュネイデルラン、アンデル・エレーラ、トム・クレバリー、バスティアン・シュバインシュタイガーなど数多くの選手が試されたが、すベて失敗に終わっている。
チェルシーは贅沢なローテーション
ファーガソン勇退後、監督に就任したデイビッド・モイーズが無策だったり、ルイス・ファンハールがポゼッションに固執したり、ジョゼ・モウリーニョのアプローチが古すぎたりもしたが、中盤センターの人材難がユナイテッドをリーグ優勝から遠ざけていることは、誰の目にも明らかだ。
マンチェスター・シティは基本的にロドリをアンカーに据え、リバプールはファビーニョがどっしり構えている。チェルシーはジョルジーニョ、エンゴロ・カンテ、マテオ・コバチッチという、贅沢なローテーションだ。