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高3では指名漏れ「4年後にプロに…」→大学で150キロ超え!《ドラフト上位候補》関西を代表する右腕2人の共通点とは?
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph byFumi Sawai
posted2021/10/07 17:02
4年前に指名漏れを経験した北山亘基(京産大)と翁田大勢(関西国際大)。大学4年間で着実に階段を登ってきた
10月4日の大体大戦では、序盤に四球で苦しむ場面もあったが、14奪三振4安打2失点で今秋初勝利を挙げた。ストレートは最速152キロをマーク。12球団40人以上のNPBスカウトが見守る中、“奮投”した右腕を鈴木監督はこう見つめていた。
「久しぶりに見られる中でのマウンドで緊張はあったと思います。キャッチャーに聞くと今日はボールが来ていないとのことでしたが、オープン戦もほとんど投げられなかったですし、よく投げた方ではないでしょうか。ピッチャーは色んな困難を乗り越えて強くなれるので、これから経験を積んでさらに伸びてくれるはずです」
この日も149球を投げ切った翁田は、自身のピッチングをこう振り返った。
「今日は四球が多くてリズムに乗り切れなかったですが、(NPBスカウトが大挙したことが)力みに繋がったというのはなかったです。今日はストレートが走っていなくて変化球が多めでした。立ち上がりが悪くても初回から修正して、直後にきめ切れるピッチングをしていきたいです。高校の時は(志望届を提出するも)ダメでしたが、4年間でストレートは特に質は上がったと自分では思っています」
紆余曲折の時期もあったが、共にエース格にまで成長し、アピールできる要素は4年間で着実に築き上げた。ただ、両校の指揮官が口にしているのは、2人がまだ成長の最中であることだ。大きな可能性を残す大型右腕のこの先をさらに磨き上げてくれる先は――。
この秋の無念は、4年後に晴らす。
大学野球生活で2人の心の中の糧となってきたこの言葉が、10月11日にいよいよ動き出す。