「同年代の選手と話す機会はそこまで多くはないですけど、世界に対抗する意欲や実力があるのかなと思っています。東京五輪でも、世界とは大きな差があるなかで、田中さん、廣中さんが現状を打破するような結果を見せてくれました。自分にとってすごく大きな刺激になりましたし、これからもお互いに刺激し合って、どんどんレベルアップしていきたい。その上で、短距離の人気に中長距離が割り込んでいけるようになりたいですね」

三浦龍司選手（2020年取材当時）　©Ichisei Hiramatsu

「もちろんパリ五輪の目標は、金メダルですね」

　そのためにも三浦は、ある覚悟を決めている。

「僕にとって3000m障害は天職だと思っています。だからこそ極めたいのでこれからも一本でいきます。もちろんパリ五輪の目標は、金メダルですね」

　三浦ならば他種目でも十分に戦えるのではないかと期待してしまうが、頂上に立つためには世界の荒波にもまれながら、いくつものハードルを越えなければいけないだろう。ただ、三浦の伸びしろを考えれば、金メダルが決して夢物語ではないことは間違いない。

（全3回の1回目／#2、#3に続く）