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「ガチな野球ファン以外を取り込む」期待と不安渦巻く“ホリエモン新球団”は「球界の救世主」になりえるか<切り札はスポーツの賭け事!?>
posted2021/09/23 11:04
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
AFLO
まずは期待7割、不安3割といったところか。
実業家の堀江貴文氏が今春設立した新球団「福岡北九州フェニックス」が、来季より独立リーグ「ヤマエ久野 九州アジアリーグ」に加盟して本格始動することが正式に決まった。それを受けて、9月17日に堀江氏も出席のもと北九州市内で記者会見が行われた。
そこで堀江氏の口から語られたのは、球団を作った理由、そして「独立リーグ」の壮大な将来構想だった。
「我々の働き方、生き方は大きく変わる局面に来ています」と堀江氏。感染症の世界的流行により、すでに世の中ではリモートワークの普及が急速に進んだ。このおかげで人々の中に、移動時間は削減できるという「当たり前」が一つできた。
今後もデジタルトランスフォーメーション(DX)がますます進行していくことや、仕事の問題をAIが解決していくことで、人間の生活において「空き時間が大量に生まれるはず」と未来を予測する。
「だけど、暇は人間をダメにする」
堀江氏はそのように警鐘を鳴らす。
圧倒的に多い「野球ファンのライト層」を取り込みたい
「何をすればいいのか分からない時間というのは、社会不安につながります。その時間をどう埋めるかが、21世紀の人類の課題なんです」
その余暇を埋めるのはエンターテインメント。プロスポーツはその重要なツールになると考えた。
「もともとNPBがあるし、福岡にはホークスという強い人気球団があるじゃないか。そうおっしゃる方もいました。でも、プロスポーツは裾野が大事。広がれば、競技や選手のレベルも上がっていくと思います。
また、ガチな野球ファン以外を取り込むのにまだやれることはあると思っています。日本中を見渡せば、コアなファンよりもライト層の方が圧倒的に多いんです。こういった方々に球場へ足を運んでもらうための施策とか、配信を見てもらうとか、やれることはまだまだあると考えています」