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21歳で最年少100本塁打・村上宗隆なら“500発”いける? 塩見泰隆サイクル安打も「ヤクルト史に残る偉業」だった〈週刊セパ記録〉
posted2021/09/22 11:03
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
JIJI PRESS
大半のチームで残り試合は30試合を切った。パ・リーグでは22日にもロッテにマジックが点灯しそうな様相である。
一方でセ・リーグではヤクルトの塩見泰隆が9月18日の巨人戦で、サイクル安打を達成した。NPB史上76人目、セ・リーグ41人目。今季は8月25日のDeNAのルーキー牧秀悟に続いて2人目。ヤクルトとしては、国鉄時代も通じて7人目である。
若松・池山・稲葉・山田……スワローズとサイクル安打
過去の達成選手を見ていこう。〇は国鉄スワローズ。※は現役。
町田行彦(1959.7.26中日戦)〇
中安・左3・左2・中安・左本
若松勉(1976.7.9中日戦)
右本・左飛・右安・右3・左2
池山隆寛(1990.8.23中日戦)
中本・二安・右2・右3
ハウエル(1992.7.29広島戦)
右安・右2・中本・右3
稲葉篤紀(2003.7.1横浜戦)
右3・右本・右安・右2
山田哲人(2018.7.9巨人戦)※
左安・四球・左本・左2・右3
塩見泰隆(2021.9.18巨人戦)※
右安・右3・右本・左2・三振・三振
いずれもヤクルト球史を彩った強打者ぞろいだ。
塩見はJX-ENEOSから2017年のドラフト4位で入団した28歳。4年目にして大記録を達成した。入団時から即戦力として期待されたが、今年初めて規定打席に到達。打率.297と3割打者も目前だ。盗塁もリーグ3位の20を記録している。
今季のヤクルトの躍進には、1番に塩見が定着したことも大きい。
なお塩見は4打席でサイクル安打を達成したが、残る2打席を連続三振。これは初めての記録である。今季、セ・リーグの最多三振は阪神、佐藤輝明の151だが、塩見はそれに続き116。四球はわずか37。1番打者としては、確実性を高めることが課題になるだろう。