プレミアリーグに限らず、現代サッカーにおいてDFの役割はとても多いです。特にプレミアリーグは速い選手が揃うので、サイドバックはたくさんの任務をこなさないといけません。ビルドアップでの貢献はもちろん、味方を追い越す・相手を追い抜く走力、自陣へ戻るスピード。またクロスを多用するチームならばCBとゴールゲッターとの間のポジションに入って競い合える強さが求められますし、相手が出てくるサッカーならばカウンターの起点となる働きも必要。

　それでいて、やはり1対1の守備で対峙できる能力は見せつけないといけない。特にプレミアリーグのウインガーは速くて質が高い選手が多いです。それを生かす周りも速い。セリエAもレベルは高いですが、また違ったプレッシャーを感じるでしょう。それをチーム状況が悪い中で、毎試合90分フルでこなすわけですから、本当に休んでいる時間はない（笑）。

　多くを望みすぎるなと言う方もいると思いますが、それを望まれてアーセナルにやってきた。できると評価されてピッチに立つわけです。選手にとって乗り越えるべき壁が多いことはいいモチベーションにつながる。また1つ大きな階段を登るチャンスだと思います。

水沼氏が楽しみにするマッチアップは？

　気になるマッチアップ？　リバプールの南野拓実との日本人対決は当然観たいですし、クリスティアーノ（・ロナウド／マンチェスター・ユナイテッド）、ルカク（チェルシー）とはセリエAでも対峙してますが、質の高いサポートもあるプレミアではまた違うプレッシャーがある。個人的にはクリスティアーノに関しては、ドリブルどうこうよりもゴール前での競り合いの方が楽しみですね。

　ラッシュフォード（マンチェスター・ユナイテッド）、マネ（リバプール）、ベルフワイン（トッテナム）……みんな速くて上手い。あとはマンチェスター・シティのグリーリッシュ。右足でボールをズラしていく独特なドリブルで、突っ込むとペナルティエリアに侵入されてしまう。あの間合いに対して冨安がどう立ち向かうか、楽しみですね。

　まぁ、アーセナルのチーム状況を考えれば本人は楽しんでいる場合じゃないかもしれませんが（笑）、一流プレーヤーと対戦できることに喜びを感じながらプレーしてほしいですね。今シーズンでの飛躍を期待しながら、その活躍をしっかり届けていきたいと思います。

《直近のスケジュール》
9月11日　ノリッジ（H）
9月18日　バーンリー（A）
9月27日　トッテナム（H）
10月3日　ブライトン（A）

（構成／谷川良介）

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