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木下雄介さん追悼試合で親友・京田陽太27歳が9回の守備で泣いた“本当の理由”…荒木コーチ「やっとプロ野球選手になれたな」の意味とは 

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小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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posted2021/09/09 11:03

木下雄介さん追悼試合で親友・京田陽太27歳が9回の守備で泣いた“本当の理由”…荒木コーチ「やっとプロ野球選手になれたな」の意味とは<Number Web> photograph by KYODO

9月5日、木下雄介さんの追悼試合となった中日-DeNAにて、マウンドに献花をする京田(左から2人目)ら中日の選手たち。

 さらにナゴヤ球場での二軍戦では木下さんの兄が、バンテリンドームでは長女と長男がセレモニアルピッチを務めた。とりわけ幼い子どもたちの姿には、選手たちはもちろん、たくさんのファンがポロポロと涙を流していた。そして家族に続いて与田剛監督や選手会長の京田、大野雄大、柳裕也、木下拓哉が木下さんの「職場」であったマウンドに献花した。ライブビジョンにはマウンドでの勇姿が映し出され、BGMは故人の登場曲だった湘南乃風の「黄金魂」。全員で木下さんを偲び、試合は始まった。

京田「雄介さんが(フェアゾーンに)落としてくれた」

 この日ばかりは勝利は目的ではなく、義務だった。投手陣は先発のジャリエル・ロドリゲスが5イニングを投げ、6回から継投。田島慎二、祖父江大輔、又吉克樹とつなぎ、いつものようにベイスターズ打線に点を与えなかった。

 ところが、攻撃陣もまたいつものように今永の前にゼロを並べていった。スコアレスドローもちらついた8回。ついに試合が動いた。1死から出塁した高橋周平を犠打で進めて2死二塁。ここで又吉の代打に起用された福留孝介が、センターの頭上をはるかに越す二塁打で待望の1点を取った。さらに続いたチャンスで、1番の京田が左翼線に落とし、2点目をもぎ取った。ヘッドスライディングし、二塁キャンバスを力いっぱいたたいた京田はラインギリギリに落ちた一打をこんな言葉で振り返っている。

「ファウルになるかと思って走ったんですが、雄介さんが(フェアゾーンに)落としてくれた。雄介さんのおかげで打てたヒットなんです」

 攻撃陣が奮起して奪った2点を、9回はライデル・マルティネスが守り切った。ウイニングボールは京田のサインを添え、木下さんの家族に捧げられた。

【次ページ】 「やっとプロ野球選手になれたな」

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