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木下雄介さん追悼試合で親友・京田陽太27歳が9回の守備で泣いた“本当の理由”…荒木コーチ「やっとプロ野球選手になれたな」の意味とは
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph byKYODO
posted2021/09/09 11:03
9月5日、木下雄介さんの追悼試合となった中日-DeNAにて、マウンドに献花をする京田(左から2人目)ら中日の選手たち。
「やっとプロ野球選手になれたな」
いつもは厳しく接する荒木雅博コーチが、試合後に「やっとプロ野球選手になれたな」と褒めてくれたそうだ。もちろん、この言葉には「本物の」という意味が込められている。
「いい選手はここぞっていうところで打つんだと。福留さんがそうですよね。だからあんなに長く活躍して、すごい数字を残せている。それがわかった一日でした」
京田が流した涙の理由も、この言葉に隠されている。単に打ったぞ、勝ったぞという達成感ではなかったのだ。親友として、選手会長として重圧を背負っていた。絶対に勝たなければいけない試合、何としてでも打たなければならない打席。責任を果たし、押し寄せてきた安堵。自分ではなく、人のために流れ出た涙だった。
打った直後、ヒーローインタビューを終えた後、京田が何度もガッツポーズした先には、木下さんの家族の姿があった。
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