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《35打席連続無安打》絶不調の佐藤輝明に、通算403本塁打・山崎武司が2つの助言 「屈辱でも…」「オヤジ(ノムさん)が生きていたら」
posted2021/09/10 11:05
text by
間淳Jun Aida
photograph by
Kyodo News
球団の新人本塁打記録を塗り替えた阪神・佐藤輝明が、光の見えない暗闇の中にいる。
8月19日のDeNA戦で、52年ぶりに田淵幸一さんの記録を更新する23号を放ってから、本塁打が出ていない。29日の広島戦から4試合連続でスタメンを外れ、9月7日のヤクルト戦は代打での出場もなし。開幕から105試合目で初めて欠場した。9日の試合でも2打席連続三振で連続無安打が「35」に伸び、優勝争いが終盤に差し掛かる中で長いトンネルに入っている。
「右足を上げる高さが全然違う」
「打てない打ち方になっている。あれでは打てない」
大失速している佐藤の打撃に、こう漏らすのは中日や楽天で活躍した山崎武司さん。通算403本塁打を記録し、史上3人目となるセ・パ両リーグの本塁打王に輝いた。2013年に現役引退後、野球解説者を務めている山崎さんは、佐藤の打撃の変化に「右足」を挙げている。
「調子がいい時と悪い時とでは、右足を上げる高さが全然違う。右足を早くついてしまうから、ためができていない」
佐藤の飛距離を生み出しているのは、軸足となる左足への「ため」。ステップする右足を十分な高さまで上げて、左足に体重を乗せて「ため」をつくれるので、プロの変化球にも対応できるという。
ところが、最近の佐藤は「ため」がないまま右足を地面につき、体が前に突っ込む。山崎さんは「右投手が投げる内角低めのスライダーやカットボールを全部振りにいって、クルクル空振りしている。ボール球をストライクだと思ってスイングしている」と指摘する。
「どん詰まりの内野ゴロを打つつもりで」
バランスを崩した打撃から、どのように本来の形を取り戻すのか。山崎さんは現状打破の方法をこう提案する。