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メッシやロナウドの衝撃に隠れてるけど…「駆け込み移籍ウラ注目株の4人」〈冨安健洋と同じ“中堅国から成り上がり”ケース〉
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2021/09/07 17:01
古橋亨梧とハイタッチするセルティック時代のオドゥソンヌ・エドゥアール。プレミア行きをつかんだ
ソーチェク、ツォウファルに続けるか
ペナルティボックス内でのプレーを好む傾向にある一方、積極的にミドルシュートも狙ってくるなど、ゴールへの手数が多い印象。昨季の後半戦でチームをけん引したジェシー・リンガードの代わりという見方だが、それ以上をもたらすことができるかもしれない。
ロシアからやってきたもうひとりは、チェコ代表MFアレックス・クラル。スパルタク・モスクワからの買取オプション付きローンで加入している。
トマース・ソーチェク、ブラディミル・ツォウファルの補強が大当たりしているウェストハムは、チェコひいてはスラビア・プラハに良いイメージをもっているようだ。
現在23歳のクラルはスラビア・プラハのアカデミー出身。2019年に移籍したスパルタクを経ての加入となるが、デイビッド・モイーズも”先輩”との共演を楽しみにしている。
「アレックスもチェコ代表で確固たる地位を築いている選手だ。トマシュ、ブラディミールと同じような個性やハングリー精神があることを期待している」
先日のEURO2020でも4試合に出場しており、代表での経験からソーチェクやツォウファルとの連携は十分。チームに馴染むのも時間の問題だろう。
そのソーチェクとデクラン・ライスとの競争は厳しいものになるが、チームは今季ELにも出場するため一定の出場機会はあるはず。持ち前の高さ、守備力で主力陣に引けを取らぬ活躍を期待したい。
PSVの新星もようやくステップアップ
エールディビジからは、かねてから将来を嘱望されていた期待の新星がようやくステップアップを果たした。PSVからユベントスに移籍したモハメド・イハッタレンだ。
8歳で加入したPSVアカデミーの生え抜きで、2018-19シーズンにトップチームデビューを果たして以降、瞬く間に欧州のビッグクラブの注目を集めた19歳である。
昨シーズンは不調と負傷が重なり、思ったとおりのシーズンとはいかなかった。それでもユベントスへの移籍をデッドライン・デーに決め、同日サンプドリアへのローン移籍も決定している。
イハッタレンは良くも悪くも古典的な司令塔タイプといえる。繊細なボールタッチとドリブル、視野の広さと左足からの正確なキックは彼が若くして注目を集めた要因だ。一方で球離れの悪さ、そして守備への献身性は改善が必要といえる。