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メッシやロナウドの衝撃に隠れてるけど…「駆け込み移籍ウラ注目株の4人」〈冨安健洋と同じ“中堅国から成り上がり”ケース〉
posted2021/09/07 17:01
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph by
Getty Images
今夏の移籍市場はいろいろなことが起こりすぎた。
リオネル・メッシのバルセロナ退団&PSGへの移籍、クリスティアーノ・ロナウドの古巣マンチェスター・U復帰。ひとつの時代を築き上げた2人のスターがユニフォームを着替えた。
2つのビッグニュースで霞んでしまっているようにみえるが、他にも多くのビッグディールが成立している。コロナ禍とは思えぬほど活発なマーケットとなった。
そして少しでも移籍金を引き下げたいクラブ、大金をはたいてでも獲得したい選手、出番がないと見込んでローンで経験を積ませたい若手――。無所属の選手を除き、ありとあらゆる交渉の締め切りとなる8月31日が、丸1日移籍の話題で持ちきりになるのは恒例行事だ。
アントワン・グリーズマンの古巣復帰、サウールのチェルシー移籍、そして冨安健洋のアーセナル移籍。俗にいう「駆け込み移籍」はこの夏も豊作だった。
しかし今回はこうした注目の移籍に埋もれがちな、中堅国から欧州主要リーグ移籍を果たした「駆け込みステップアップ」の選手を取り上げたい。
31日、ロシアの強豪から2人を引き抜いたウェストハムは非常に良い補強をしたといえるだろう。
満を持してのプレミア再挑戦
まずはCSKAモスクワから加入のニコラ・ブラシッチだ。4年前、エバートンでの挑戦が失敗に終わったクロアチア代表の23歳は、推定2570万ポンドの移籍金でハマーズに入団した。
主にトップ下でのプレーを得意としているが、代表では右ウイングとして出場することもあるなど、ウェストハムでは2列目での出場機会が多くなりそうだ。
父は元陸上選手、母は元クロスカントリーの選手、そして姉に走高跳で世界陸上2大会連続金メダリストのブランカをもつ超アスリート家系なだけに、肉体的な完成度が高い選手だ。アジリティ、強さ、スタミナはどれもプレミアリーグでプレーするには申し分ない。
そして2列目から積極的にゴールに関与するプレースタイルで、CSKAモスクワでは公式戦108試合で33ゴール21アシストを記録している。