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メッシやロナウドの衝撃に隠れてるけど…「駆け込み移籍ウラ注目株の4人」〈冨安健洋と同じ“中堅国から成り上がり”ケース〉
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2021/09/07 17:01
古橋亨梧とハイタッチするセルティック時代のオドゥソンヌ・エドゥアール。プレミア行きをつかんだ
サンプドリアで爪痕を残し、若返りの旗頭となれるか
PSVでは主にトップ下、左右のウイングで起用されてきた。トップ下で出場しても左右、とりわけ右サイドに流れる傾向にあり、得意であるカットインからのクロスやシュートの機会をうかがっている。
サンプドリアは開幕2試合連続で無得点と、やや攻撃陣が寂しい状態にある。アントニオ・カンドレーバやミケル・ダムスゴールといった左右のタレントとの連携、そしてファビオ・クアリアレッラへの正確なラストパスで攻撃の活性化を図るには適切な人材といえるだろう。
そして所属元のユベントスは昨季セリエAの連覇が止まり、今季も開幕から1分1敗、そしてクリスティアーノ・ロナウドの退団と時代の転換期にある。チームの若返りにはいつも痛みが伴うもので、それはマッシミリアーノ・アッレグリとて例外ではないということだ。
PSVでは華々しくデビューし、その後の継続的な成長に苦しんだイハッタレン。彼が役者ぞろいのサンプドリアで経験を積み、一皮むけて戻ってくることに期待しよう。
あえて言おう。イハッタレンの未来はユベントスにあり、ユベントスの未来はこの武者修行中の若者が握っていると。
セルティックで復活したストライカーはプレミア初挑戦
最後はスコットランドの強豪、セルティックからクリスタルパレスに移籍したオドゥソンヌ・エドゥアールだ。かねてから移籍の噂が絶えなかった23歳のフランス人FWは、世界最高峰のプレミアリーグに挑戦する。
PSGアカデミーの有望株であったがプロの壁に直面し、セルティックで復活を遂げた。
17-18シーズンに加入後、ムサ・デンベレの控えという立場ながらリーグ戦22試合9ゴールを記録すると、翌18-19シーズンから15、22、18ゴールと3季連続で2ケタ得点を記録。直近2シーズンでは得点王に輝いている。
FWでありながらビルドアップに参加することを好み、頻繁にミドルサードへ下りてくる。カリム・ベンゼマやロベルト・フィルミーノなど現代フットボールでよく見られるタイプ。
上述の数字の通りフィニッシュの能力にも長けている。ビルドアップに参加したのち、後方から遅れてペナルティボックス内に侵入する、あるいはドリブルで持ち上がってからのミドルシュートも得意の形だ。