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忘れられない2年前の悪夢…青森山田10番・松木玖生が静岡学園との再戦で誓ったこと「あんな思いは二度としたくない」
posted2021/08/26 17:02
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
「相手の読み、球際、先を読む力が違うなと感じましたし、本当に気持ちいいくらいの敗戦でしたね」
8月22日に閉幕したインターハイのサッカー準決勝で、2019年度の選手権決勝カード「青森山田vs静岡学園」の一戦が実現した。
一昨年度の選手権決勝は、静岡学園が0-2のビハインドからMF松村優太(鹿島アントラーズ)を軸にした攻撃陣が爆発し、逆転勝利で24年ぶり2度目の選手権優勝を達成。しかし、今回はその大逆転劇とは打って変わって、0-4と一方的な試合展開に。それでも敗れた静岡学園の川口修監督は試合後に「清々しい」と振り返った。
この言葉は決して負け惜しみでも、建前でもなく、川口監督の本心だろう。
松木玖生の脳裏に刻まれる「悪夢」
あれから1年半、再戦となった夏の大一番で大車輪の活躍を見せたのは、両チームを通じて唯一あの決勝のピッチに立っていた青森山田の10番・松木玖生(3年)だった。
「ミーティングで自分の経験をただ伝えるだけではダメで、それをどうピッチで表現できるかを大事にしていた。試合中もみんなに声をかけ続けました」
当時、1年生だった松木はボランチとしてスタメン出場していた。前半のうちにDF藤原優大(SC相模原)、MF武田英寿(FC琉球)のゴールで2点先行するという幸先の良いスタートを切ったが、ここから「悪夢」とも言える時間を味わった。