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《神村学園2人で8ゴール》「ふざけんなよ!」親友の激怒に目が覚めて…Jスカウトも大注目の高2コンビに起きた“逆転現象”とは?
posted2021/08/31 11:07
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
8月22日に幕を閉じたサッカーインターハイ(福井県)。2年ぶりの開催となったこの大会で輝きを放った者、本来の力を出しきれなかった者と、それぞれにドラマがあった。
その中で、今大会でひときわ眩しい存在感を放った「2年生ゴールデンコンビ」にスポットを当ててみたい。
神村学園のMF大迫塁とFW福田師王(しおう)。ともに鹿児島県で生まれ育ち、附属の神村学園中から大きな期待を背負ってきた2人は、昨シーズンから主軸として活躍し、1年生ながら揃って選手権のピッチを踏んだ。
福井の地で久しぶりに2人のプレーを間近で見たが、明らかに雰囲気が変わっていた。福田は顔立ちに精悍さが表れ、フィジカルもひと回り大きくなっていた。そして大迫は、冷静さと獰猛さのギャップが増し、ピッチ上で鋭い眼光を光らせていた。
2人で8ゴール、8強の立役者に
1回戦の正智深谷戦では福田が1アシスト、大迫が1ゴールを挙げて3-0の勝利に貢献すると、2回戦の福井商では大迫が2戦連発ゴール、福田がハットトリックと大暴れ。3回戦の阪南大高戦ではともに1ゴールと、ベスト8進出の立役者となった。
準々決勝の米子北戦では3点を先行され、惜しくも敗退となったが、福田が3戦連発となるゴールで一矢を報いるなど2人は今大会で計8ゴールを叩き出した。
「やっぱり塁と一緒にプレーするのは楽しい」(福田)
優勝という目標を達成できなかったが、2人の絆はさらに深まったように見えた。
だが、大迫と福田はただの“息の合う仲良しコンビ”という歩みをしてきたわけではない。大会後、それぞれに話を聞くと、2人の交錯する思いと、変化の理由が見えてきた。