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NBAファイナル進出に貢献した日本人コーチは、どんなキャリアを?「変わり続けないと乗り遅れますから」
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byPhoenix Suns Social Media
posted2021/08/12 11:01
ミケル・ブリッジズと肩を組む玉川康平さん。2019-20シーズンからサンズに参画し、28年ぶりのNBAファイナル進出に貢献した
コロナ禍における2シーズン目となった20-21シーズンは、選手にとっても、そして選手をサポートするヘルス&パフォーマンスのスタッフにとっても難しいシーズンだった。
「シーズンの前にヘルス&パフォーマンスの部門でミーティングをしたときに、何度も絶対にやらなきゃいけないと言ったのは徹底すること。サプリメントや、コンディショニングの面でも徹底することが大事だった」と振り返る。
玉川の仕事のひとつには、様々なデータを使ってトレーニングやトリートメントなどの参考になるようなレポートを作成することがある。毎試合後、個々の選手の身体にどれだけの負荷がかかったかを、データも駆使してレポートを作成する。
「ゲームのインテンシティ(強度)を理解して、怪我なくシーズンを戦うために、選手が常にプレーできる状況を作ってあげなきゃいけない」
主力として30分以上試合に出る選手、控えとして15分以上出る選手、そして15分未満の選手では、それぞれのトリートメントやコンディショニングの計画が変わってくる。主力の選手の身体をケアして疲労回復させる一方で、出場時間が多くない選手には実際のNBAの試合に近い強度の練習を組むことで、常に戦えるコンディションを整える必要がある。
「そういった提案ができたのは非常に大きかったですね。何があるかわからないという不透明なシーズンのなかで、でも試合は変わらない。何がわかっていて、何がわからないかっていうのをきちんと理解して、それでスケジュールの面で管理や提案をさせてもらいました。難しいシーズンでしたけれどね」