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大谷翔平を変えた“花巻東高の寮生活”「何度も怒られました」「だから僕、高校でだいぶ変わったと思いますよ」 

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石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

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photograph byNanae Suzuki

posted2021/08/11 17:01

大谷翔平を変えた“花巻東高の寮生活”「何度も怒られました」「だから僕、高校でだいぶ変わったと思いますよ」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

最高峰の舞台・MLBで前人未踏の記録を更新し続ける大谷翔平。その原点に迫った

 そして去年、ピッチャーとして4勝、バッターとして22本のホームランを放ったことで新人王に選ばれた。昨秋、トミー・ジョン手術を受けてピッチャーとしてリハビリの毎日を過ごさなければならない今年も、5月からバッターとして試合に出て、前半戦だけで14本のホームランを打った。6月13日には日本人メジャーリーガーとして初のサイクルヒットも達成している。

大谷翔平にとって恩師・佐々木洋監督とは?

 先入観を捨てるのは難しいし、先入観を捨てさせるのも難しい。それでも、先入観を捨てることが不可能を可能にするのだと教えてもらった佐々木監督に、ならば、今の大谷がもらった言葉とは――。

「いや、最近はありません(笑)。最近の監督は、バッティングのことしか聞いてこないので、もしかしたら僕がピッチャーだということを忘れているんじゃないかなと思うくらい。ごはんに行っても、バッティングの技術的な話ばっかりなんですよ。『すごいねぇ、どういう感じで打ってるの』『教えてくれよ、ここはどうなんだよ』って。だから、『こうです』って言っても、『それじゃ、わかんないよ』って。

 卒業してからはあんまり監督という感じはないですね。あ、ないと言ったら失礼ですけど(笑)、高校のときも1対1のときにはすごく優しかったし、今もそれに近い感じです。監督として、というより、一人の人として尊敬していますし、おもしろいなと思います。最近は、けっこうお茶目なところもあるんだなってことがわかってきましたしね」

 グレー地に紫の文字のユニフォームはあまりないからカッコいい、と言っていた大谷は、白地に赤の下に、今も花巻東のユニフォームを纏っている。そこで培った魂が今、メジャーに衝撃を与えているのである。

《前回を読む》「自分は自分だと思ったこともないので……」大谷翔平が振り返る“『雄星はこうだった』とよく言われた高校時代”

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「自分は自分だと思ったこともないので……」大谷翔平が振り返る“『雄星はこうだった』とよく言われた高校時代”

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