（6）その他注意点

　こちらは特定の商品に関するものではないが――海外においても日本においてもオークション形式での販売には昔も今も吊り上げが存在する。簡単に説明すると、出品者自身が別のIDで自身のオークションに入札し、価格を吊り上げる方法である。規約上違反行為ではあるが日常的に行われているのが現状だ。

　オークションは欲しいものが見つかると冷静な判断を見失いがちになるが、事前に“この価格を超えたら諦める”というラインを予め決めておくことが大事である。熱くなってしまった結果、市場価格を大きく超えてしまう場合もあり、そうなると出品者の思う壺になるのだ。評価の低いもの同士で競って値段が上がっているケースは特に慎重になった方がいい。そのような商品はオークション終了後取り消され、後日何事もなかったようにすぐに再出品されるケースが多い。

　最後に……筆者は長年のNumber読者で、本サイトで取り上げるべき記事ではないかもしれないと思いつつ書かせていただいた。繰り返しになるが新規でコレクションを始める方々へ上記のリスクがあることを伝えたい――ということもあり、敢えてこのようなテーマを書かせて頂いた。業界の健全化は長年の課題で、完全な解決はとても難しい道だとは分かってはいる。

ⒸGetty Images

　ただ少しでも健全な業界に育っていって欲しいと強く願っている。野茂英雄、イチロー、松井秀喜、そして大谷翔平の功績を末永く健全な状態で100年後まで伝えていけるように……。

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