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大きすぎる古賀紗理那の不在…狩野舞子が感じるバレー女子代表の“もどかしさ”、次は日韓戦「何が何でも勝つ」という気迫を 

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狩野舞子

狩野舞子Maiko Kano

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2021/07/30 11:07

大きすぎる古賀紗理那の不在…狩野舞子が感じるバレー女子代表の“もどかしさ”、次は日韓戦「何が何でも勝つ」という気迫を<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

予選リーグ3戦を終えて1勝2敗となったバレーボール女子日本代表。決勝トーナメント進出に向けて重要となる次戦は韓国と対戦する

 それでも2戦目のセルビア戦では光るプレーもありました。

 古賀選手に代わってスタメンで起用された石井優希選手からは「私がやらなければいけない」という覚悟を感じ、得意のストレートにスパイクが決まっていたし、サーブレシーブでも踏ん張っていた。そんな石井選手に引っ張られ、リベロの小幡真子選手や、黒後愛選手の好レシーブも目立ち、金メダル候補大本命と言われる相手に、序盤は拮抗した展開に持ち込むことができました。

 ですが、18年の世界選手権を制した強豪セルビアはそう甘くありません。1セット目に決まった攻撃も、2セット目からは通用せず、逆にセルビアの大エースであるティヤナ・ボシュコビッチ選手(オポジット)を自由にしてしまった。

 3セット目は、途中出場した田代佳奈美選手、林琴奈選手が少しずつ流れを引き寄せ、黒後選手や石川真佑選手といった“決めるべき人”がスコアを重ねた時間もありましたが、終盤に粘りも叶わず、セットを取り返すことができませんでした。

もったいないプレーが目立ったブラジル戦

 古賀選手の欠場という予期せぬ状況の中、出場している選手は本当に頑張っていると思います。特にキャプテンの荒木絵里香選手、同じミドルブロッカーの島村春世選手は試合中も常に声を出し、自分がやるべきことに集中できています。石川選手も初めてのオリンピックとは思えないほど、落ち着いて持ち味を発揮できている。ネーションズリーグとは異なる起用が続く林選手も攻守で存在感を見せています。

 でも、メンバーを固定してきたことが裏目に出てしまったのがブラジル戦でした。石井選手を含め、3セット目からはセッターに田代選手、オポジットに林選手を起用したことで、これまで固定してきた6人から一気に3人も代わったことになるわけです。その結果、コート内でうまく連係が取れず、相手のスパイクを目で追ってしまったり、ブロックフォローもつながらない状況に。もったいないプレーがとても多く見られました。 

 大会前にキーマンと挙げていたセッター籾井あき選手も、ネーションズリーグでは自分の持ち味が発揮できていたものの、オリンピックの3試合ではトスが不安定で、アタッカー陣が打ち切れない場面が目立つ。何より、籾井選手自身がうまくいかないことに迷いながらプレーしているようにも見えます。

 内容が悪くても勝てていれば、それを自信に変えることもできる、でも、負けが続くと「これでいいのか」と不安は大きくなるもの。まさに今の日本は、そのループに陥った状況に置かれているのではないでしょうか。

【次ページ】 負けられない次戦は宿敵・韓国

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