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「性的暴行疑惑」でエースのバウアーが離脱も、優勝を争うドジャースが"無言"のワケ<プレーしなくても週給150万ドル>
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2021/07/30 11:04
6月28日の登板を最後に有給休暇状態のバウワー。昨年はダルビッシュをおさえ、サイ・ヤング賞に輝いたMLBを代表する先発投手だ
通常、ある選手が何らかの処分を受けた場合、ほとんどの関係者、チームメートは少なくとも「全力でサポートをしていく」との姿勢を強調する。
ところが、今回のバウアーの場合、ドジャースは捜査中であることを理由に声明を発表せず、一方でクラブハウス内では「もう一緒にプレーしたくない」との声が漏れていることが、現地紙記者のSNS上で伝えられた。
ドジャース連覇への障壁
噂話のレベルの可能性もあり、事の真偽は定かではない。ただ、高額年俸のエース格がグラウンド外での女性問題で1カ月以上も戦列を離れる事実は重く、いかにビジネスライクなメジャーといえども、チーム内の士気に影響する可能性は高い。バウアー不在の間、それまで救援に回っていたベテラン左腕、デービッド・プライスを先発ローテーションに組み入れて急場をしのいでいるものの、ポストシーズンを勝ち抜くうえでも、コマ不足の感は否定できない。
地区9連覇とワールドシリーズ連覇を目指すドジャースにすれば、ジャイアンツ、パドレスとのハイレベルな優勝争いを勝ち抜くためにも、戦力面を充実させるだけでなく、チーム内の綻びは修正するしかない。
バウアーの復帰を計算したうえで戦っていくのか、それとも、バウアー不在を覚悟で終盤戦に挑むのか――。
ちなみに、1998年から3連覇したヤンキース以来、ワールドシリーズで連覇したチームは出ていない。