欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
EURO準優勝イングランドがベストメンバーを組んだら? 指揮官を悩ます充実のタレントで世界の頂点も視野に
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2021/07/28 17:01
イタリアに敗れEUROで準優勝に終わったものの、多くのタレントが揃うイングランドの未来は明るい
唯一の人材難は中盤センター
GKはジョーダン・ピックフォードがEURO2020の活躍で自信を深め、この男を凌ぐポテンシャルを秘めるディーン・ヘンダーソンと熾烈な定位置争いを繰り広げるだろう。また、 ルーク・ショーとベン・チルウェルが競う左サイドバックは、世界でもまれに見るハイレベルだ。
唯一の人材難は中盤センターだ。計算できるのはカルバン・フィリップスとデクラン・ライスだけ。ジョーダン・ヘンダーソンの股関節痛は慢性化する恐れがあり、ジュード・ベリンガムは6月に18歳になったばかりだ。
プレミアリーグを見渡しても、これといった人材が見当たらない。ジェイムズ・ウォード・プラウズのセットプレーは貴重な武器になるが、プレー強度が低い。そもそも所属クラブで中盤センターに君臨するイングランド人が少なすぎる。
期待すべきはエバートンのトム・デイビスだろうか。ラファエル・ベニテス監督の指導で守備技術に磨きがかかれば、フル代表入りもありうる。
ただ、本来はDFのA・アーノルドやゴメスも中盤センターで適用できる。ライスとフィリップスのさらなる成長を促しつつ、折を見てA・アーノルドとゴメスをテストするのが、サウスゲイト監督が講じるべき手段かもしれない。
汎用性の高い選手の活かし方が、イングランドがバージョンアップするカギとも考えられる。
ロシア・ワールドカップ:4位
ヨーロッパ・ネーションズリーグ:3位
EURO2020:準優勝
2018年以降、イングランドは一歩ずつ階段を上っている。残るは世界の頂だけだ。フットボールの母国が “We are the champions” を大合唱する日は、いずれ必ず訪れる。